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「蓄電池事業者協議会」が発足 短期的利益だけではない中長期視点での市場育成を支援

蓄電池関連の事業者などで構成する蓄電池事業者協議会が発足。技術と制度の両面で新たな課題も指摘されている系統用蓄電池ビジネスなどを対象に、関連事業者の声を集約して制度設計や法規制に関して政策提言を進める方針だ。

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 蓄電池関連の事業者などで構成する蓄電池事業者協議会は2026年3月17日、東京都内で設立記者会見を開催した。昨今、系統用蓄電池を利用した新たなビジネスモデルが広がりを見せ、関連事業を手掛ける企業も増加傾向にある一方、技術と制度の両面で新たな課題も指摘されている。同協議会ではこうした蓄電池事業に関わる事業者の声を集約し、制度設計や法規制に関して政策提言を進める方針だ。


蓄電池事業者協議会(BATTERY BUSINESS ASSOCIATION / 略称:BBA)のロゴ 出典:蓄電池事業者協議会

 蓄電池事業者協議会は2025年11月に設立。現時点で新電力のしろくま電力や住友商事、NCSアールイーキャピタル、東急建設など、蓄電池事業を手掛ける7社が参画しており、今後も参加事業者を募集する。企業以外に有識者なども参加し、定期的な勉強会などを通じて事業者視点での現場の課題を集約し、蓄電池事業に関連する制度設計や法規制の実現に向けた政策提言の実施に取り組むという。

 系統用蓄電池については、法制度の改正に伴い、近年さまざまな電力市場への参加できるようになった。それに伴い、多くの事業者が市場参入を試みた結果、蓄電池の系統アクセス手続きが急増。こうした接続契約申込の中には事業化確度の低い案件も存在し、系統容量の「空押さえ状態」が生じるなどの課題も顕在化している。

 これらの背景には需給調整市場など一部市場において、制度上、非常に高い事業収益率が見込める高単価での市場取引が可能になっていた点も指摘されている。こうした状況を受け、政府も系統アクセス手続きの厳格化や、市場設計の見直しなど対策を進めているが、こうした蓄電池事業を取り巻く制度環境はまだ発展途上というのが現状だ。


蓄電池事業者協議会 代表/しろくま電力 代表取締役の谷本貫造氏

 協議会の代表を務めるしろくま電力 代表取締役の谷本貫造氏は、蓄電池事業者協議会の設立目的について、上述のような蓄電池事業の一部側面として指摘される“投機的な動き”を加速させるために設立したわけではないという点を強調した。こうした加熱感のある状況は長く続くことはないとし、同協議会の会員向けガイドラインには地域との強制や安全面の確保に加え「中長期視点での事業推進姿勢」を掲げ、短期的利益のみを目的としない、健全な市場の発展を主眼に置いた運営を目指すという。

 「蓄電池事業者協議会は短期的な市場の熱狂をあおる、またはその受け皿となるための団体ではない。今大事なのは短期的な熱狂ではなく、長期投資に耐える予見可能性と健全な市場規律だと考えている。発展途上にある日本の蓄電池事業について、まだ十分に目が向けられていない現場の具体的な課題をボトムアップで発信し、建設的で課題解決型の議論によって適切な制度設計や法規制の実現に向けた政策を提言していきたい。本協議会の活動を通じて、蓄電池事業を一時的なブームで終わらすことなく、日本の電力システムと社会を支える持続可能かつ安全な基盤として育てていきたいと考えている」(谷本氏)

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