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エリア横断の効率的な電力供給を実現へ 「次期中給システム」を2032年度に運用開始第60回「需給調整市場検討小委員会」(3/4 ページ)

一般送配電事業者各社が運用する「中央給電指令所システム(中給システム)」のリニューアルに向け、第60回「需給調整市場検討小委員会」では新たに追加を予定する機能の詳細などが報告された。次期システムでは、SCUC(潮流制約を考慮した電源の起動停止計画)機能やSCED(潮流制約を考慮した電源の経済負荷配分)機能、さらに電力需要や再エネ発電量の予測機能などが追加される方針だ。

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次期中給システムの構成

 次期中給システムは、沖縄を除く9社で共有化するとはいえ、1つの巨大なシステムに変わるわけではなく、図5のように、「①メインシステム」と「②各エリアのシステム」で構成される。また、システム障害や災害への備えとして、メインシステム自体も複数地点に分散配置される。

 メインシステムは、主に全国の「需給状況」と「連系線・各エリア地内基幹送電線等の潮流状況」を踏まえたSCUC・SCEDを行い、各エリアのシステムは主に「系統監視・制御機能」(系統事故対応や系統切替指令等)を担うこととなる。

 現行の中給システムは、一送各社で発電機との伝送仕様やインターフェースはさまざまであったが、新たなエリアシステムでは国際規格(IEC 61850)を用いて全国の発電機への指令仕様を統一し、発電事業者の参入コストの低減を図ることとしている。


図5.次期中給システムの構成 出典:送配電網協議会

 メインシステムが行うSCUC・SCEDにおいて潮流制約を評価するためには、電力系統の状態を表すデータセットが必要であるため、次期中給システムでは、エリアシステム経由で取り込んだ測定値をもとに、1分周期で、全国一括で系統の「状態推定」計算を行う。

需要・再エネ予測機能も実装へ

 次期中給システムでは、全国の需要・再エネ予測機能も実装する。従来の予測手法は、気象予測情報を基に、換算係数等を利用した説明性の高い出力変換モデルを採用してきたが、次期中給システムでは、計算式では表現できない相関も考慮可能な機械学習モデルを新たに採用予定としている。出力変換モデルの刷新により、予測精度の向上に伴う再エネ出力制御量の低減が期待される。また、タイムリーな情報公表もできるよう検討を進めていく予定としている。


図6.次期中給システムにおける需要・再エネ予測機能 出典:送配電網協議会

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