タクシーアプリの「GO」が需給調整市場に参入 複数拠点のEVから調整力を創出
タクシー配車サービスなどを手掛けるGO(東京都港区)は2026年4月から電力アグリゲーション事業を開始した。複数拠点に点在する電気自動車(EV)車両への充電量を調整して調整力を創出し、需給調整市場で取り引きを行う。
タクシー配車サービスなどを手掛けるGO(東京都港区)は、2026年4月から電力アグリゲーション事業を開始した。複数拠点に点在する電気自動車(EV)への充電量を調整して調整力を創出し、需給調整市場で取り引きを行う。同社によると、複数拠点に点在するEVの統合管理による調整力の供出は、国内初の取り組みになるという。
一般送配電事業者が電力需給を常に一致させるための調整力を調達する場として2021年からスタートした需給調整市場だが、2026年4月から小規模な蓄電池などの低圧リソースを保有する一般企業や家庭も市場への参加が調整になった。今回GOはEV充電器およびEVを統合管理するリソースアグリゲーターの立場として参画し、MCリテールエナジーがアグリゲーションコーディネーターとして市場での取り引きを行う。市場で対象とする商品は、3次調整力②となっている。
事業開始時点では東京電力管内エリアを対象とし、230基を超える充電器に接続されたEV車両の充電量をコントロールして一つの調整力として供出する。対象となるEV充電器は、GOがEV車両への充電サービス提供用に設置しているものを活用する。
具体的には過去の実績データに基づいてEVの充電量を予測し、AIを活用して供出可能な調整力を決定する。この情報に基づいて複数拠点でEVの充電量を調整する仕組みだ。こうした複数拠点において充電量調を調整する群管理形式のエネルギーマネジメントには、GOがこれまで取り組んできたモビリティ事業の知見やノウハウが生かされているという。EV車両の最適な充電計画を立案するマネジメントシステム、AIを利用したタクシーアプリにおける利用者と車両のマッチング技術などを活用したとしている。
今後、東京電力管内から他エリアにおいても事業展開を進める方針。将来的にはEV以外の蓄電池なども活用して供出可能な調整力の拡大を目指すとしている。
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