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予備電源制度で初の落札 第2回募集の結果は2電源・計136万kWに第113回「制度検討作業部会」(1/4 ページ)

万一の自体に備えた供給力の確保を目的にスタートした「予備電源制度」。第1回の募集は応札ゼロに終わったが、第2回は2件の落札という結果となった。本稿では予備電源制度の概要とともに、第2回の募集結果について解説する。

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 2022年3月に生じた東京エリアの電力需給逼迫を受け、万一の事態に備えた供給力を確保するための「予備電源制度」が2024年度に創設された。

 その第1回募集が2024年9月に実施されたが、初回の応札件数はゼロという結果であった。このため、資源エネルギー庁の「制度検討作業部会」では、予備電源制度について様々な見直しを行い、第2回募集を2025年9月に実施したところ、2件の応札があり、いずれも落札したことが2026年3月に公表された。

予備電源制度の概要と振り返り

 現在、電力の安定供給に不可欠な供給力(kW)は、原則、容量市場を通じて確保することとしている。ただし、容量市場はあらゆるリスクをカバーするものではないため、大規模災害等による電源の脱落や、想定外の市場退出、想定外の需要の急増等が生じた場合には、供給力不足に陥る可能性も否定できない。

 このような追加の供給力確保を行う必要が生じた際に、休止中の予備電源を稼働させることにより供給力不足を防ぐ仕組みとして、「予備電源制度」が創設された。


図1.予備電源制度のイメージ 出典:制度検討作業部会

 大規模災害等の稀頻度な事態に対応するための電源を常に稼働可能な状態に維持しておくことは、社会コストを上昇させることになる。このため予備電源とは、通常は休止を維持した状態にあり、必要に応じて再稼働させるものである。

 よって予備電源は、休止が継続するかぎり供給力としてはカウントされない「準供給力」と位置付けられ、再稼働が判断された場合に初めて供給力に含まれることとなる。

 予備電源制度の対象電源は、容量市場で「安定電源」に区分される10万kW以上の火力電源(LNG、石油、石炭等)である。予備電源として確保された電源については、その休止措置や休止状態維持に関する費用(図2の赤枠範囲)が支払われる。


図2.休止電源に関する全体費用と予備電源制度の対象範囲 出所:制度検討作業部会

 落札電源に対する制度適用期間は2年間または3年間を基本として、応札事業者は12カ月以上36カ月以下の範囲内において、月単位で始期及び終期を設定可能である。

 本来は、募集年度の2年後以降が制度適用期間となるが、予備電源制度を開始して間もない現時点では、足元の予備電源が確保できていないため、第2回(2025年度)募集の場合、制度適用開始年度は2026年度または2027年度としている。


図3.予備電源 制度適用期間の例 出所:制度検討作業部会

 予備電源制度の費用負担は、これが容量市場の外側から安定供給を支える制度であるとの整理に基づき、一般送配電事業者の負担としており、一般送配電事業者はレベニューキャップ制度の収入の見通しの一部として、託送料金を通じて回収する。

 また、予備電源制度の実施主体は広域機関であり、供給力不足を回避する最終手段(セーフティネット)としての「電源入札等」の一類型と位置付けられている。

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