最も厳しい電力需要想定での供給予備率 2029年度東北・東京エリアでは1.6%に低下:第2回「電力安定供給WG」(1/3 ページ)
経済産業省が主催する「電力安定供給ワーキンググループ」の第2回会合で、今後の電力需給見通しの評価結果が公表。厳気象H1需要時における2029年度の東北・東京エリアのH1予備率は、1.6%と厳しい見通しとなった。
電力広域的運営推進機関(広域機関)は、電気事業法に基づき、毎年度、電気事業者から提出される供給計画から今後10年間の電力需給の動向を把握している。2026年度供給計画取りまとめでは、2026〜2035年の電力需給の見通しについて、EUE(確率論的必要供給予備力)を指標に供給信頼度を確認した結果、複数のエリアで目標停電量を超過する厳しい状況が示された。
ただし、供給計画では相当程度に確度が高い計画のみが報告されているため、不確実性の高い事象(電源の休廃止等)は十分に把握することができないという課題がある。このため広域機関では、ある程度不確実性が高いものの、需要・供給の両面で現時点考慮できる要素を反映した中長期的な需給バランスの試算を行った。
なお、電力需給見通しの評価手法には、EUEによる「確率論的評価」と、予備率による「確定論的評価」があるが、分かりやすさや、実需給断面における予備率管理の考え方との接続性を踏まえ、今回は確定論的評価により、厳気象H1想定需要(過去10年間で最も厳しかった気象条件(猛暑・厳寒)を想定して算出される最大電力需要)に対する予備率等を評価することした。
火力発電所の新増設及び休廃止の動向
2023年度に開始された長期脱炭素電源オークションでは、これまで計3回の入札を実施し、脱炭素電源は合計1,330万kW、LNG火力は合計1,010万kWが落札している。
これにより、火力発電の供給力は2030年度以降、LNG火力のリプレースを中心に増加し、2035年度には2025年度と比較して1,000万kW超の増加が見込まれている。なお、図1は供給計画に計上前の発電設備も含むものであり、ほぼ全量がLNG火力である。
他方、火力発電所の休廃止は、2026年度供給計画に計上されているものだけでも、2030年頃には1,300万kW程度の休廃止が計画されており、火力の新増設を上回る規模で推移すると想定されている。なお、図2の新増設・休廃止の「差し引き(純減)」は2026年度供給計画に基づくものであるため、図1とは新増設の計上値が異なる。
2035年度までに休廃止が予定されている火力発電の内訳は、主にLNG火力と石炭火力であり、いずれも高経年火力が多いが、稼働年数の浅い電源の休廃止も含まれている。また石炭火力では、今後のGX-ETS等の削減目標強化を見据えた対応として、非効率石炭(設計効率42%未満)から先行して休廃止の計画が進められていると考えられる。
なお、2026年度時点で経年45年を超過する火力電源は火力全体の10%程度であり、現時点で供給計画に休廃止が計上されていないものの、2035年度時点で営業運転開始から50年超となる火力は1,300万kW程度存在するため、今後も更に休廃止が増加する可能性がある。
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