電気事業法改正で新融資制度 大規模電源や送電線の整備を政府が支援へ:第2回「電力事業環境整備ワーキンググループ」(1/4 ページ)
大規模電源や送電線など巨額投資が必要な電力インフラ整備の支援に向け、政府の信用力を活用した新たな融資制度の創設が検討されている。資源エネルギー庁の「電力事業環境整備ワーキンググループ」では、その詳細設計について検討が行われた。
今後のDXやGXの進展により、電力需要の増加が見込まれているが、大規模な電源や送電線の整備には巨額の投資が必要となる。このため、2026年7月に成立、公布された改正電気事業法では、政府の信用力を活用した融資制度を創設することにより、民間金融を補完し、長期・大規模な電力分野の投資を後押しすることとした。
具体的には、国は財政投融資や補助金を活用し、経済産業大臣が認定した以下1〜3の整備または更新の計画に対して、電力広域的運営推進機関を通じて電気事業者に融資を行うものである。
- 整備等計画に定められた電気工作物(地域間連系線)
- 基幹送変電設備整備等計画に定められた電気工作物(地内系統)
- 発電等用電気工作物整備等計画に定められた電気工作物(電源)
改正電気事業法の本年12月頃の施行に向けて、資源エネルギー庁の「電力事業環境整備ワーキンググループ(WG)」では、広域機関によるファイナンス支援の詳細設計について検討が行われた。
融資対象となる大規模電源の要件
改正電気事業法では、省令で定める出力以上の発電等用電気工作物の整備または更新の計画を、認定・融資の対象としている。
計画認定の対象となる電源の規模については、安定供給の観点から、経済安全保障法における規模要件を参考として、50万kW以上とされた。ただし、電気事業法では「合計出力」で判断するため、複数基の発電設備であっても一体的に計画・整備される電源の合計出力が50万kW以上であれば、要件を満たすこととなる。
また、計画認定の対象となる電源の種類については、供給力の確保と並び、脱炭素化の観点も重要である。このため、融資対象電源種については、安定供給に資する電源を広く対象としながらも、長期脱炭素電源オークションの対象となる「脱炭素電源」を優先的に支援することとした。つまり、LNG火力も融資対象であるが、優先順位は低いものとなる。
また、国による融資対象計画の認定に際しては、ファイナンス資源が有限であることを考慮するとともに、長期かつ巨額の貸付けが確実に返済されることが重要である。
このため計画認定にあたっては、政策目的への適合性や事業の実現可能性、償還の確実性等を認定要件として確認することとした。償還の確実性については、長期脱炭素電源オークションでの落札や、投資適格である契約先との長期PPA締結などにより、投資回収の予見性が担保されていることを求める。
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