電気事業法改正で新融資制度 大規模電源や送電線の整備を政府が支援へ:第2回「電力事業環境整備ワーキンググループ」(3/4 ページ)
大規模電源や送電線など巨額投資が必要な電力インフラ整備の支援に向け、政府の信用力を活用した新たな融資制度の創設が検討されている。資源エネルギー庁の「電力事業環境整備ワーキンググループ」では、その詳細設計について検討が行われた。
地内系統の計画認定における確認事項
地内系統の基幹計画を認定するに際しては、類型①、②のいずれも、エネルギー政策上の必要性という観点から、設備の重要性と支援の必要性が確認される。
また類型①は、需要の不確実性などのリスクが高い期間に対応する貸付であるため、例えば、GX戦略地域制度のように、国が需要立地の蓋然性を確認するなど、リスクを低減するような措置が講じられた事業環境であることを確認する。
なお、新たな融資制度は、官民協調・民業補完を原則としており、公的な融資の関与は必要最小限のものとしている。よって類型②についても、複数の民間金融機関からの融資があることを前提とし、本制度からの融資額は総融資額の3割程度など、一定の上限を設けることとする。ただし、投資金額が特に巨額となるようなプロジェクトファイナンス案件等については、案件ごとの特性に応じ、柔軟な上限設定を行う予定としている。
また、基幹計画の認定にあたり、広域機関はその概算工事費や工事概要の妥当性を検証する。
地域間連系線に対する融資の拡充
地域間連系線の整備は、再エネ大量導入と電力の安定供給に向け、電源からの要請に都度対応する「プル型」から、計画的に対応する「プッシュ型」に転換し、全国の広域連系系統のあるべき姿を示した「マスタープラン」に基づく整備が進められている。
このうち、北海道・本州間海底直流送電線は、概算工事費1.5〜1.8兆円、概算工期 6〜10年程度と、前例のない大規模な投資が必要であり、従来採用されてきたコーポレートファイナンスによる資金調達が困難であるため、SPCによるプロジェクトファイナンスの組成が検討されている。
一般的な系統整備では、一般送配電事業者はコーポレートファイナンスによる資金調達を行っており、レベニューキャップ制度の下で、必要な資金調達コストとして一律の事業報酬率が設定されるほか、特に推進すべき政策課題がある場合は追加報酬率が付与されてきた。
他方、プロジェクトファイナンスが円滑に成立するためには、プロジェクトのリスクに応じた適正なリターンを設定することが鍵となるが、現時点、送電事業SPCに適用される事業報酬率は明確に定められていない。よって今後WGでは、プロジェクトのリスクと、系統利用者の負担の双方を考慮した適正な事業報酬率について、検討を深める予定としている。
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