容量市場に「補完オークション」を新設へ 実需給1〜3年前の供給力を追加確保:第121回「調整力及び需給バランス評価等に関する委員会」(2/3 ページ)
一部のエリアを中心に、中長期の厳しい電力需給状況が予想される中、政府はその対策として容量市場に「補完オークション」を新設する方針だ。休廃止電源を対象とし、実需給の1〜3年前の供給力をまとめて募集する形式となる見通しだ。
追加の供給力確保策の位置付け
図3は、現行の供給力確保策や需給バランス評価を黒字で、新たな追加供給力確保策や需給バランス評価を赤字で示したものである。
実需給(N年度)の4年前に開催される容量市場メインオークションは、既設電源の維持には有効であるが電源新設への効果は限定的であるため、現在は長期脱炭素電源オークション(長期AX)が、電源新設の中心的施策となっている。
中長期的な需給バランス評価としては、供給計画において年間EUE(確率論的手法)による10年間の評価が行われているが、今後はこれに追加して、冒頭の表1のような厳気象H1需要時の予備率評価(確定論的手法)を毎年度行う予定としている。これがシグナルとなり、高経年電源の稼働年数の長期化(休廃止日程の自主的な見直し)に繋がると期待される。
また、需要の急増や電源の脱落など、メインオークション開催後の需給バランスの変化(夏季・冬季の需給見通し)を踏まえ、必要に応じて容量市場追加オークションやkW公募が実施されてきた。なお、図には描かれていないが、休止電源を「準供給力」として確保する予備電源制度も措置されている。予備電源の制度適用期間は12〜36カ月であり、追加オークションやkW公募といった「立ち上げプロセス」を通じて供給力となる。
現行のkW公募や予備電源制度の費用負担者は、一般送配電事業者(託送料金)である。
現行の制度はいずれも、短期間(数カ月〜1年程度)で立ち上げ可能な電源が供給力として追加的に確保される仕組みである。今回の検討では、立ち上げに1年以上を要する電源も、追加的な供給力確保の対象とすることとした。
なお、需要側リソースなどのDRも重要な供給力の一つであるが、今回の新たな供給力確保策では、火力などの安定電源のみを対象とすることとした。これは、火力では一度設備を廃止・撤去してしまうと再利用は困難であり、新設には数年〜10年程度を要するが、DRには通常そのような制約は無いためである。
以上のように現在は、容量市場やkW公募、予備電源など、制度の背景や費用負担者が異なる複数の制度がパッチワーク的に併存しているが、今回の見直しでは、容量市場の傘の元に整理統合することが狙いの一つとされている。
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