「発動指令電源」の市場退出に対応 容量市場に新たな供給力確保策:第76回「容量市場の在り方等に関する検討会」(3/3 ページ)
「容量市場の在り方等に関する検討会」の第76回会合で、電源等区分と需給逼迫時に対応するリクワイアメント・ペナルティに関する制度見直しの方向性が示された。
安定電源と発動指令電源のリクワイアメントの差異
供給力の要となる安定電源に対しては数多くのリクワイアメントが課されており、平時においては、計画停止期間(最大180日)を除き、卸電力取引市場などに応札することが求められている。また需給逼迫時(ゲートクローズ前の広域予備率が8%を下回った場合)には、一般送配電事業者からの供給指示に応じて、供給力を提供する必要がある。
他方、発動指令電源については、需給逼迫時の広域予備率が5%を下回った場合、一般送配電事業者の発動指令に応じて、年間最大12回(1回3時間継続)の供給力を提供することが、リクワイアメントとされている。
なお、容量市場で落札された電源など(差替元電源)がやむを得ない理由により実需給年度に供給力を提供できない場合には、落札していない電源など(差替先電源)との差替を行うことが可能である。
現行制度では、差替元電源のリクワイアメントを差替先電源が履行することを前提に、電源等区分の異なる電源であっても電源等差替を認めているが、今後は、同一区分の差替のみを認めることとした。
安定電源のペナルティレート「Z時間」の設定
安定供給確保のため、一般送配電事業者は前日17:30以降に広域予備率が1度でも8%を下回ったコマ(低予備率アセスメント対象コマ)を対象として、「供給力提供通知」を発出している。
当該通知を受けた発電事業者などは、まずは自主的に出力・供給力を増加させるが、それでも広域予備率が低い場合、一般送配電事業者は「供給指示」を発出し、発電事業者などはこれに応じて供給力を供出することがリクワイアメントの一つとされている。
安定電源は、このリクワイアメント未達成量に応じて経済的ペナルティの金額が算定されるが、この計算式にはペナルティレート「Z時間」が用いられている。
このZ時間は、容量市場導入前のゲートクローズ(GC)時点での需給逼迫コマの発生頻度を踏まえ「30時間」と設定していたが、その後の実績の乖離を踏まえ、2025年4月に「90時間」へと見直している。
ところが、2026年度における低予備率アセスメント対象コマ数(全国平均)は、7月末時点で310コマ(約155時間)であり、現行のZ時間(90時間)を既に超過している。
なお図10は、「供給力提供通知」が発出された17:30以降、次第に広域予備率が改善し、GC時点でも8%未満となるコマ数は少ないことを表している。Z時間の想定と実態の乖離は、事業者のペナルティを過大なものとするおそれがある。
他方、ペナルティを必要十分な強さで維持することは、リクワイアメントの達成を通じた安定供給確保の観点から重要である。
今後、広域機関では、アセスメント対象コマと実際の供給指示の発出頻度の違いも踏まえ、リクワイアメントの在り方やZ時間の設定方法などについて、検討を深める予定としている。
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