iTunes Storeが9割占める動画ダウンロード販売、それでもP2Pには大敗――米調査
インターネットでの動画ダウンロードは「P2Pで」という人が、有料でダウンロードする人の4倍にもなることが分かった。
調査会社の米NPD Groupは12月20日、インターネットでの動画ダウンロードに関する調査報告を発表した。P2Pでダウンロードを行う人は、動画を合法的に購入してダウンロードする人の約4倍に上るという。
報告によると、2006年第3四半期に、P2Pサービスから無料でデジタル動画ファイル(10Mバイト以上)を1件以上ダウンロードしたのは、米国で日常的にインターネットを使用している家庭の8%に上る一方、ダウンロードサイトから動画ファイルを購入したのは2%にすぎないという。
P2Pサービスからダウンロードされたファイルのうち、約60%はアダルト系コンテンツで、テレビ番組のコンテンツは20%、映画は5%だった。NPD Groupでは、P2Pでの動画ダウンロードが「まだ音楽のダウンロードほど普及していない」上、大部分がアダルト系コンテンツだと指摘しつつも、不正コピーへの対策なしでは、「映画会社などの持つ知的所有権の侵害が増加し続けるだろう」とコメントしている。
一方の有料動画ダウンロードをサービス別に見ると、9割がiTunesを使用。以下、Vongo(5%)、Movielink(3%)、CinemaNow(1%未満)と続く。内容は、テレビ番組が62%で最も多く、24%が音楽ビデオ、6%が映画だった。NPD Groupでは、「AppleのiTunes/iPodと、MicrosoftのZuneとの競合などが、消費者のデジタルビデオへの関心を呼び起こす」としながらも、デジタルダウンロードがDVDに完全に取って代わるのはずっと先のことになりそうだ、と見ている。
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