ミラポイントがメッセージング製品群を一新,ポイントは「パフォーマンスと信頼性の強化」

【国内記事】2002.4.02

 インターネットメッセージングに特化した製品群を提供しているミラポイントは4月2日,ラインナップを一新し,パフォーマンスと信頼性をさらに高めた「4-Series」を発表した。

 同社はこれまで,メッセージストア機能を提供する「M300/M2500 Internet Message Server」や,これらサーバに対して管理機能やスパム対策・セキュリティ機能を提供する「Message Director」,それにLDAP準拠のディレクトリサーバ「DS300」といった製品を提供してきた。いずれも,メッセージングに特化した独自OS「Messaging Operation System(MOS)」を核に,ルート,ストア,アクセスという3つのレイヤに基づいてメッセージングサービスを提供する「Architected Messaging(アーキテクテッド・メッセージング)」に沿ったものだ。

 このたびリリースされた4Seriesもやはり,アーキテクテッド・メッセージングというコンセプトを引き継いでいる。そのうえで,全機種がマルチプロセッサ,マルチスレッドに対応し,大幅にパフォーマンスや信頼性を向上させていることが特徴だ。「4-Seriesには欠けた部分はないと,自信を持っている」(同社マーケティング担当副社長のジョー・ヒルシャー氏)

“クリティカル”なメッセージングを支えるには現在のインフラは役不足

「メッセージングは顧客にとってますます重要な,クリティカルなものとなっている。また,ワイヤレス環境との統合,ユニファイドメッセージング,それに音声やマルチメディアと組み合わせた新しいサービスも求められるようにもなっている。しかし,異なるベンダーのコンポーネントを組み合わせた現在のインターネットインフラは,そうした要求に応えるには役不足だ」――ヒルシャー氏はこのように指摘する。

 この問題に対する同社の回答が,Architected Messagingだというわけだ。同社が提唱するこのモデルでは,シンプルな単一のメッセージングシステムを通じて,高いアベイラビリティとパフォーマンスを実現しながら,運用コストは最低限に抑えられるという。また,各レイヤごとに必要に応じて拡張が可能なため,何かと予測が立てにくい将来のサービス拡張への対応も容易だという。

ミラポイントのヒルシャー氏とミラポイントジャパン社長の山口氏

 ただし同氏は,「われわれの製品は,単にLinuxなどにアプリケーションソフトをバンドルしただけのアプライアンス製品ではない」ともコメント。メッセージングにフォーカスして開発したハードウェアとOS,システム管理を統合している点がミラポイント最大の特徴であり,それゆえに低いコストで高い信頼性と付加価値を顧客に提供できる,とヒルシャー氏は述べた。

全ラインナップがマルチプロセッサ,マルチスレッドに対応

 4Seriesのうち「Message Server M4000」「同M400」は,POP3やIMAP4,STMP,LDAP,それにHTTPといったインターネット標準に対応したメッセージング専用サーバ。電源やCPUファンといった主要コンポーネントはすべて二重化されているほか,ホットスワップ可能なハードディスクとRAIDコントローラを搭載している。また,筐体前面のステータス表示パネルによってメンテナンス性も向上している。ヒルシャー氏は,「99.999%の可用性を実現する」と強調した。

 特にフラグシップ機のM4000は,Pentium III 1.4GHzデュアルプロセッサに845GBのディスク容量を備えるというスペックで,1台で最大22万5000のユーザーまでサポートできるという。米SPECによるベンチマークテスト「SPECmail2001」でも,高い評価を得たということだ。

 M4000はさらに,シリアルインタフェースを通じてバックアップ用テープドライブに接続できるだけでなく,ファイバチャネルインタフェースも搭載しており,NFSおよびSANとの統合が可能である。また標準で10/100BASE-TXインタフェースを2個搭載しているが,オプションとしてギガビットイーサネットインタフェースも提供される。

「M400」本体。4-Seriesの日本上陸第1号である

 ルーティングやセキュリティ機能,ウイルスやスパムメールからの保護機能を提供する「Message Director MD400」も,パフォーマンスは従来機種の5倍といい,1日で約700万通のメールを処理できるという。ソフトとハードを統合したディレクトリサーバ製品「Direcroty Server DS400」もやはりパフォーマンスが向上しており,毎秒数千件の照会,数百件の書き込み処理に対応する。

 各製品の参考価格は,M4000が1万ユーザー(POP使用時)で約1900万円から,中小規模向けのM400は,1000ユーザー(POP使用時)で約550万円から。またMD400は約600万円から,DS400は1万ユーザーで約700万円からとなっている。いずれも同日より,販売代理店を通じて出荷が開始される。

 また,ミラポイントジャパンの代表取締役社長の山口一郎氏は,今後,さまざまな移行支援プランやサイジング/設計に関する支援サービスをパートナー経由で提供するほか,これまでは北米でのみ提供されていた認定エンジニアプログラムを国内でも展開する方針を明らかにした。

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[高橋睦美 ,ITmedia]