| エンタープライズ：トピックス | 2002年5月14日更新 |
Case Study：iBaan ERPの採用により7カ月で基幹業務を再構築したデンセイ・ラムダ
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デンセイ・ラムダは，1999年10月に日本電気精機とネミック・ラムダの2社が合併することで設立された企業のため，2つの企業文化と4つの情報システムが混在していたという。そのため同社は，企業文化の統一と情報システムの一元化を目的に全社的なBPR（ビジネス・プロセス・リエンジニアリング）をスタート。それを実現するためのツールとしてERP製品の導入によるシステム構築を決定したという。
ERPの導入にあたり同社では，まずERP製品のノンカスタマイズでの導入方針を決定するとともに，トップダウンによる意思決定の徹底を役員および執行役員とともに決定した。デンセイ・ラムダのBPR推進室長，熊澤壽氏は，この決定は今回のプロジェクト成功のための非常に重要なカギだったと話す。
「すべての担当者の意見を聞いていたのでは，システムの稼動までに1万回以上のミーティングによりネゴシエーションしなければならない。ノンカスタマイズとトップダウンの意思決定を徹底できたことが7カ月という短期間でシステムを再構築できた最大の要因だ」（熊澤氏）
ERP製品としてiBaan ERPを選んだのは，同社が製造業の分野で多くのノウハウを持っていたことやノンカスタマイズでの導入が可能なこと，さらに新しいプロジェクトフィー制が利用できることなどが決め手になったとしている。
しかし，製品の選択以上に難しかったのが，ERPを導入することで得られる効果を役員や執行役員に理解させることだったと熊澤氏。特に，ERPの導入は利益を得らるためのものではないということを理解させるのには骨が折れたという。
「ERPはツールに過ぎず，ツールを利用することで合理化された労力を新たなビジネスに有効活用することで利益を生みだすことが可能になるということを役員に理解させることは一番たいへんだった」（熊澤氏）
同氏は最後には，「利益を生み出すのは（役員の）“覚悟”です」と押し切ったと笑う。
また，「合理化」という言葉もくせ者で，「合理化には，利益を生み出す合理化と，そうでない合理化がある」と同氏。ITの導入により50人で行っていた業務が40人でできるようになったからといって利益が発生するものではない。それは単にコストの削減であり，余剰の10人が新しいビジネスで成果をあげることができなければ利益は生まれてこないということだ。
「利益を発生させる仕組みは，ITの導入だけでなく，別の面に多くの要因が存在している」（熊澤氏）
同社に置き換えてみると，iBaan ERPを導入することで，4つのシステムを一元化することができ，毎日5時間かけて行っていたバッチ処理が不要になったことがこれにあたる。このバッチ処理は，日本の夜間に行われるために，国内のビジネスには特に影響を及ぼさない。しかし，海外の市場ではこの時間帯が昼間であるにも関わらず，システムにアクセスすることができない。つまりこの時間帯には，ビジネスがストップしてしまい，利益を失ってしまうという大きな問題を抱えていたという。
「iBaan ERPを導入したことで，リアルタイムの情報提供とコミュニケーションが可能になり，迅速なユーザー対応が可能になった。また，大幅なコスト削減と生産性の向上も実現でき，新たな企業戦略を柔軟に展開できる環境が整った」（熊澤氏）
同氏はiBaan ERPの導入により，マシンリースとメンテナンスコストだけで年間6000万円の削減が可能という。また，事務作業の改善により，年間2億円の利益創出が可能な環境を実現できたと話している。
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企業名：デンセイ・ラムダ 所在地：東京都品川区 設立：1999年10月（日本電気精機とネミック・ラムダが合併） ニーズ：2つの企業文化の統一と4つの情報システムの一元化 ソリューション：iBaan ERPの採用の決定とERP製品のノンカスタマイズ方針，そしてトップダウンによる意思決定の徹底による基幹企業の再構築 今後の展開：さらなるコスト削減と生産性を向上させる新たな企業戦略を柔軟に展開できる環境の実現 Tool Box iBaan ERP |
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[山下竜大 ，ITmedia]
