エンタープライズ:トピックス 2002年5月27日更新

バーン,設計/製造/販売BOMを連携させる「iBaan for PLM」の国内販売開始

 バーンジャパンは5月27日,同社のエンタープライズアプリケーション「iBaanスイート」を構成するPLM(製品ライフサイクル管理)ソリューションとして,新たに「iBaan for PLM」の国内販売を開始すると発表した。出荷・サポートは,7月より開始する。

 PLMは,設計,製造,販売の各ビジネスプロセスが参照するBOM(部品表:Bill of Material)を連携/統合し,ビジネスプロセスを連動させるソリューション。製品開発のための企画立案から設計,試作,製造,マイナーチェンジ,販売,アフターサポートまでを包括的に管理し,製品の生産が停止されるまでのライフサイクルで常に利益を上げられるようにするというビジョンを持ち,製品を市場投入する期間を短縮したり,企業間/部門間で完全な情報共有を実現することなどが効果としてうたわれている。

 この日に発表されたiBaan for PLMは,PDM(Product Data Management)やCPC(Collaborative Product Commerce),サードパーティーのCADソフトウェアと連携させるための製品などで構成されている。バーンのソリューション群では,iBaan ERPが製造BOM,コンフィグレータのiBaan E-Configrationが販売BOMを持っているが,それにPDMで管理する設計BOMを加え,この3つのBOMを連携させるエンジンも提供することになるという。

 7月より国内投入されるソフトウェアは,コアとなるPDM製品「iBaan Product Data Management 6.1」をはじめ,3つのBOMの差異を比較する「iBaan Lifecycle Analyzer」,XMLに対応し,製品情報をBOMと関連付ける「iBaan Product Packager」。そのほか,Microsoft Officeとインタフェースする「iBaan PDM integration for MS Office」も同時リリースされる。iBaan CPCやAutoCAD,Pro/ENGINEERとのアダプタ製品は,追って市場投入される予定。

 バーンのPDM製品はクライアント/サーバアーキテクチャを採用している。ほとんどのベンダーは,Webブラウザ版のPDM製品を提供する潮流にある。これに対して,バーンのPLM製品のトップ,イラーナ・ユッハ氏は,「iBaan CPCはWebブラウザ版だが,PDM利用者の操作性を考えれば,C/Sアーキテクチャの方に分がある」と話す。なお,バーンでは,クライアントとサーバ間のインタフェース開発ツールキット「iBaan PDM Development Toolkit」も提供する。

「クライアントとサーバ間は,HTTPプロトコルを使ってXMLデータをやり取りする。そういう意味では“Web対応”であり,Thinクライアントでもある。クライアントアプリのダウンロードが可能なため,パートナー企業に開放するのも容易だ」(同氏)

 バーンジャパンでは,この製品が独立して稼動することも売り込みたい考えだ。杉山隆弘社長は,「バーンは,サードパーティーのERPやレガシーシステムとの連携を前提にPLMソリューションを開発した」と話す。製造,設計,販売が持つ3つのBOMのうち,iBaan PDMで設計BOMだけを構築しても,サードパーティーアプリが蓄積する製造BOM,販売BOMとの差異を分析し,例えば設計BOMをマスターとすることが可能になるという。

 バーンユーザーであるEMS大手のフレクストロニックス(FLEX)は,設計システムにアジャイル製品を利用,バーンの製造BOMをマスターとして,設計BOM用のデータをアジャイルに引き渡す仕組みを採用している。3つのBOMを連携させるというビジョンを明らかにしたバーンでは,「3つのBOMをすべてマスターとし,差分だけを履歴管理することも可能」(ユッハ氏)という。

 全社共通のマスターBOMを構築すれば,FLEXのように,輸送コストを最大限に削減すべく,製造拠点を柔軟に変更したり,全社一括で部品調達することによるスケールメリットが期待できる。一方,3つをすべてマスターにすれば,各部門でマスター登録したデータをシステムに反映させるまでの期間短縮が可能になるほか,部品利用の意思決定を各部門に分散させることができる。

「マスターをどうするかは,顧客が決めること。われわれは,選択肢を与えればいいと考えている。もし他社製のERPが管理する製造BOMをマスターにしたいと要求されても,それを可能にする差分管理機能を提供できる」(ユッハ氏)

 海外での導入実績は100社強。ユッハ氏は,「われわれの製品は,FLEXがAgileに決めたときよりかなり強化された。現在,彼らとも話し合い中で,いつか,われわれの製品を使ってほしい」と話している。

 データベース,サーバ,クライアントの3層構造アーキテクチャを採用。稼働環境は,クライアントがWindows NT/2000,サーバがWindows 2000,データベースはOracle8i。SQL2000データベースにも対応する予定だ。

関連記事

▼新しい経営戦略により売り上げ80億円を目指すバーンジャパン

関連リンク

▼バーンジャパン

[井津元由比古 ,ITmedia]