エンタープライズ:ニュース 2002/07/05 12:02:00 更新


iSCSIでのIPSec VPNを実現するツールキットをSSHがリリース

SSHコミュニケーションズ・セキュリティ(SSH)は、SAN業界向けのセキュリティツールキット「SSH QuickSec Toolkit for SAN」を発表した。これを用いればIPストレージのトラフィックを暗号化し、安全にデータをやり取りできるという。

 動画のストリーミングなどと並んで、ブロードバンド化が進むネットワークのキラーアプリケーションの1つと見られているのがストレージだ。それを実証するかのように、NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会場では、IDC ShowCaseやNTTコミュニケーションズ、東京エレクトロンのブースなどで、ストレージ、それもIPストレージに関するデモンストレーションが行われた。

 ここで気になるのは、IPネットワーク経由でやり取りされるデータを、どう保護すればいいのかという問題だ。SSHコミュニケーションズ・セキュリティ(SSH)では、こうしたニーズを見越して、SAN業界向けのセキュリティツールキット「SSH QuickSec Toolkit for SAN」を発表した。

 この製品は、米ラスベガスで開催されたNetWorld+Interop LasVegas 2002でリリースされたもの。同社は、ストレージをターゲットにしたIPSecツールキットはこれが初めてと説明している。

 このツールキットを用いれば、SAN製品やiSCSIコントローラ、iSCSIゲートウェイやホストアダプタといったストレージ機器に、IPSecによる暗号化通信機能を組み込むことができる。つまりIPストレージのトラフィックを暗号化し、安全にデータをやり取りできるという。

 特徴としては、認証の際に重要な証明書検証エンジンを搭載していること、オプションとして、インテルが提供するネットワークプロセッサ「IXP」の拡張機能、XScale Fast Pathアクセラレーションに対応することなどが挙げられる。

 なお同社は合わせて、ブロードバンド接続で利用されるADSLルータやケーブルモデムといったアクセス機器に、集中管理が可能なVPN/ファイアウォール機能を組み込むためのツールキット、「SSH QuickSec Toolkit for Access Network」も発表している。モーバイル環境に対応できるよう、動的アドレス構成をサポートするほか、NAT Traversal機能も搭載しているという。

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関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト
▼SSHコミュニケーションズ・セキュリティ

[高橋睦美,ITmedia]