エンタープライズ:ニュース 2002/07/23 22:43:00 更新


エピファニー、“サービス E.6”で実行系CRM進出

エピファニー・ソフトウェアが、新たなコンタクトセンターアプリケーション「“サービス E.6”」を9月をめどに出荷する。この製品は、同社初の実行系CRM製品。2003年第1四半期に出荷されるSFA製品“セールス E.6”によって同社の“E.6”スイートがすべて日本語化されることになる。

 エピファニー・ソフトウェアは7月23日、新たなコンタクトセンターアプリケーション「“サービス E.6”」を9月をめどに出荷することを発表した。これは、顧客と企業のあらゆる接点を最適化するための製品だ。

 顧客は、電子メール、電話、チャット、FAXなどを使って企業と連絡を取り、製品に関する問い合わせを行う。その連絡手段が多様化しているため、提唱されているのがコンタクトセンターだ。ここでは、従来のコールセンター業務だけでなく、迅速に電子メールに返信したり、オンラインのチャットで顧客が抱える問題を解決することも業務の一部となる。

 業務が増えれば、スタッフのトレーニングコストも増える。コールセンターだけでも「コストセンター」(利益を生まない部門)と捉えてきた企業にとって、さらなるコストがかかってしまうのがコンタクトセンターとも言えるのだ。しかし一方で、これまでのようにコールセンターだけを設置していても、好きなときに、好きな方法で企業と連絡を取りたいという顧客ニーズから企業姿勢が乖離してしまうというジレンマもある。

 こうした課題を解決するのが“サービス E.6”だ。「コンタクトセンターをプロフィットセンター(利益を生む部門)に」というコンセプトで開発されたこの製品は、顧客と企業とがコミュニケーションを取るあらゆる接点におけるプロセスを自動化できる。あらかじめ登録しておけば、画面上で次に取るべき行動を指示してくれるため、トレーニングコストを抑えることも可能だ。

 また、同社がこれまで提供してきた強力なリアルタイム分析プラットフォームが基盤となっていることも見逃せない。顧客の年齢や性別だけでなく、どのような内容の問い合わせをして、企業側の対応にどう答えたかをリアルタイムに分析して、クロスセルやアップセルのためのオファーを提示することが可能になる。

 さまざまなベンダーが、コンタクトセンターアプリケーションを出荷しているが、機能の深さだけでなく、操作性、ユーザーインタフェースまでを含めて、この製品は新参とはいえナンバーワングループに入る。

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ActiveXなど、ダウンロードが必要なものは一切使わず、DHTMLだけで構築されたユーザーインタフェース。

 アーキテクチャ面では、BEAシステムズのWebLogicやIBMのWebSphereといったJ2EEアプリケーションサーバをサポート。Java、.Netをどちらもサポートする。ユーザーは、DHTMLをサポートするWebブラウザを介してアプリケーションにアクセスできる。

 なお、エピファニー・ソフトウェアの米国本社である米E.ピファニーは7月22日、IBMとのワールドワイドな協業を発表した。両社のプレスリリースによれば、IBMとE.ピファニーは共同で、銀行および通信業界をターゲットに、E.ピファニーのCRM製品を販売する。また、E.ピファニーは、同社のCRM製品を、IBMのWebSphere、AIX、およびDB2に最適化するという。

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[井津元由比古,ITmedia]