エンタープライズ:ニュース | 2002/11/14 18:16:00 更新 |
基調講演:オラクルの切り札は「600万ドルの男」
11月13日、3日目を迎えた「OracleWorld 2002 San Francisco」のステージに懐かしいBionic Manのオープニングシーンが流れた。オラクルの切り札は、昔懐かしい「600万ドルの男」だった。アバシ上級副社長が扮する「BI」-onic Manは、企業のさまざまな問題を解決し、会場を沸かせた。
「Bionic Man」(邦題:600万ドルの男)が帰ってきた。
11月13日、3日目を迎えた「OracleWorld 2002 San Francisco」のステージに懐かしいBionic Manのオープニングシーンが流れた。飛行機事故を起こして瀕死の重症を負ったが、サイボーグの技術によってBionic Man(バイオニックマン)として蘇った。だが、基調講演のステージに駆け上がったのは、ソヘイブ・アバシ上級副社長が扮する「“BI”-onic Man」だった。
エンジのジャージで「600万ドルの男」に扮したアバシ氏
オラクルでは、データやアプリケーションの統合によってシンプルさや堅牢さという多くのメリットが得られるとしているが、ツール群も同じだ。すべてのツールをOracle9i JDeveloperブランドに統合しており、同社のツール部門を統括するアバシ氏がこの日の基調講演で紹介したBIツールもその1つだ。ERPからデータを抽出するツールからはじまり、OLAP、データマイニング、レポート、アドホッククエリ、分析、およびポータルに至る一連のBIソリューションがすべてJDeveloperに統合されている。
アバシ氏によれば、ライバルであるIBMの場合、7社のツールを組み合わせる必要があり、問題が起こったときやアップグレードの手間が計り知れないという。
基調講演ではスーツを販売する「OBI」(Oracle Business Intelligence)という架空のサイトが抱える問題がビデオで面白おかしく再現された。情報が見つからない、ユーザーの求めるレポートが出ない、ドリルダウンができない……。たが、それを1つひとつ、BI-onic ManがJDeveloperで解決していくという演出に基調講演の聴衆は沸いた。
例えば、Oracle9i Databaseでは、OLAP機能が組み込まれており、別にOLAPデータベースを構築する必要がない。BI-onic Manは、JDeveloperを使い、マッピングから変換、そしてキューブ化までグラフィカルな設計ツールでやってのけた。データの移動がなく、複数のコピーを持つ必要もない。そして何より、OLAPデータベースがセキュアである保証はどこにもない。Oracle9iに組み込まれたOLAP機能であれば、「Unbreakable」なセキュリティ機能がそのまま享受できる。
また、「Business Intelligence Beans」もJDeveloperブランドで提供されている。テーブル、クロスタブ、グラフなどのJavaコンポーネントが用意され、コードを1行も書かなくても、エンドユーザーが求める、グラフィカルでインタラクティブな分析ツールを手早く作成できるという。
こうして手早く作られたBIツールが、そのままポートレットとして配布されるのもJDeveloperの強みだ。架空サイトのビデオでは、「BEAが簡単にできると言ったのに嘘だった」と言わせ、ライバルを挑発する。JDeveloperなら、同社の300以上のE-Business Suiteポートレットだけでなく、70のベンダーから250以上のポートレットが提供されており、ユーザーはそれを組み込むだけだという。
しかも、JDeveloperブランドに統合されたBIツールなら、100ユーザーの場合、データベースを合わせても42万ドル。IBMの場合、143万5900ドル必要で1/3以下だ。
アバシ氏は「オラクルのBIプラットフォームは、“CIA”だ」と話す。Complete、Integrated、そしてAffordable(求めやすい)の三拍子だ。
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[浅井英二,ITmedia]