エンタープライズ:ニュース 2003/01/23 17:27:00 更新


「LinuxWorld New York 2003」が開催

米国ニューヨークで、LinuxWorld 2003 Conference & Expoが1月21日に始まった。同イベントは、4日間の予定で、コンファレンスや基調講演、展示などが行われる。

 昨年(2002年1月)の開催では、9.11テロの影響で、来場者、出展者ともに大きく減少したが、今回は、少し客足のほうは戻ってきたようである。ただし、展示会場などは、昨年の半分のスペースで、展示会場面積は狭くなっている。ただし、昨年は、広い会場の一部だけを使い、通路を広く取るなどしていたのに対し、今回は、最初から狭いスペースに出展者を詰め込んだ感じで、一見、会場がすごく混雑しているように感じる。しかし、会場ホテル間を結ぶシャトルバスの列が短く、さほど待たずに乗り込めるなど、大きく減少した客足は、盛況だった2001年並に回復とまではいっていないようだ。

 イベント前に流れたニュースなどから、今回の大きな話題は64ビットLinuxとみられている。すでにSGIからはItanium 2サーバの発表が行われ、AMDの64ビットCPU「Opteron」の出荷が近いことから、64ビットマシンの試作機が多くの開発者の手に渡ったこともあって、アプリケーションやシステムの移植が盛んになってきたことが背景にある。また、もともとLinux系が得意としていたサーバ分野では、科学技術計算やメモリを大量に使うデータベースで64ビットマシンを必要とする顧客が多いことも理由にある。一方、インテルやAMDは、開発が先行し、開発者受けのよいLinuxをテコに64bitマシンの普及を計りたいという気持ちがある。

 こうした思惑が交錯するLinuxWorldの会場に、マイクロソフトがブースを設けている。そこでは、.NET技術の展示や、UNIX系OSからWindows系OSへの移行を促進するツールである「Windows Service for UNIX 3.0」(サブシステムでUNIX実行環境をサポート)などを展示している。

 22日には、SGIのほか、IBM、SUN Microsystemsなどがプレスコンファレンスを開催、それぞれのLinuxへの取り組みをアピールした。また、今回最初のキーノートスピーチは、AMDのCEOであるへクター・ルイズ氏。

 ニューヨークでの開催は今年で4回目。開発者中心の西海岸サンフランシスコでの開催に比べ、ビジネス中心のニューヨークという位置づけだが、テロ、景気低迷といったなかで、来場者を大きく落としたニューヨークでの開催だが、来年の開催を危ぶむ出展者もいた。Linuxビジネスとは別にイベントとしての節目に来た感じのLinuxWorldである。

関連リンク
▼LinuxWorld New York 2003レポート

[塩田紳二,ITmedia]