エンタープライズ:ニュース 2003/01/24 21:18:00 更新


サン、「SUN Linux」にSun Oneソフトウェアを展開

サン・マイクロシステムズはLinuxWorld New York 2002において、「Sun One」に含まれるサーバーソフトウェアなどをSUN Linuxでも展開すると発表した。

 サン・マイクロシステムズはLinuxWorld New York 2002会場内で1月22日にプレスコンファレンスを開催、「Sun One」に含まれるサーバーソフトウェアなどをSUN Linuxでも展開すると発表した。コンファレンスには、サンのエグゼクティブバイスプレジデントでソフトウェア担当のジョナサン・シュワルツ氏が登場した。

 2002年、Linuxサーバ、Linuxクライアントマシンを発表し、ようやくLinux市場に本格参入したサンだが、依然としてメインの製品はSPARCプロセッサを使った、Solarisが走るUNIXマシン。すでにUNIXに見切りをつけてしまった(?)HPやIBMとは大きな違いがまだある。

 IA-32アーキテクチャでLinuxを採用した製品は、買収したコバルトブランドのものはあったが、昨年ようやくサンブランドでの製品を出荷したところ。

 今回サンは、「Sun ONE Web Server 6」、「Sun ONE Active Server Pages」、「Sun ONE Studio 4」、「Sun ONE Grid Engine」、「同 Enterprise Edition」の各製品をLinux上に移植した。すでにLinux上には、「Sun ONE Application Server 7、Directory Servier 5.1」が移植されており、これでSun ONE製品の主要なものがLinuxで動くことになる。これにより、Sun ONEという枠組みの中では、Linuxマシンの利用範囲が広がり、より広範囲な展開が可能になる。

 2002年に来日した会長兼CEOのスコット・マクニーリー氏によれば、Sun ONEの枠組みの中では、Linuxは単なるパーツで、Linux採用製品は低価格が必要な部分をカバーするハードウェアになるということだったが、実際には、ハードウェア、ソフトウェアが揃ってはじめて、Sun ONEを構成するコンポーネントになることができる。今回のそれがようやく実現したわけだ。

 従来サンは、Solarisの持つLinuxとの互換性(LinuxプログラムをSolaris上で実行可能)で、Linuxブームを乗り切ろうとしていたが、現実には、低価格ハードウェアとLinuxを要求する顧客が多く、サンの主力ビジネスを継続するためには、Linuxマシン、Linux低価格サーバ必要との判断で、Linuxサーバ製品化した。

 2002年9月にサンが開催した「Network Conference」では、クライアントマシンとしてLinuxマシンを発表、サンが構築するシステムでのクライアントとして提供をはじめた。一部の報道でサンが「Linuxパソコンに参入」という表現もあったようだが、実際にはサンが顧客のシステムを構築する際に、Windowsクライアントを入れるぐらいならLinuxにオフィススイート「StarSuite」などを載せて提供する道を選んだのである。サンにしてみれば、Windowsの売上げに協力するぐらいなら、手間はかかるがLinuxクライアントマシンを扱うほうが「マシ」と思ったのだろう。

 今回、Linuxに主要ソフトウェア製品を移植したサンだが、Linuxへの傾斜をより高めていくのか? あるいはそうでないのかはまだ見えていない。しかし、Linuxの本格的な取り込み(あるいはLinux市場への飛び込み?)に大きな一歩をすでに踏み出したことは確実なようである。

関連リンク
▼サン・マイクロシステムズ
▼LinuxWorld New York 2003レポート

[ITmedia]