エンタープライズ:ニュース | 2003/02/14 23:42:00 更新 |
次期Officeに搭載される、縦3分割ウィンドウ表示の「Outlook 11」
「EDC 2003」では次期「Office」に搭載される開発コード名「Outlook 11」の機能が紹介された。まだ開発段階にあるとしながらも、電子メールや電子会議などOffice製品のコミュニケーション機能の中核を担うOutlook 11の強化点を説明した。
「EDC 2003」では次期「Office」に搭載される開発コード名「Outlook 11」の機能が紹介された。まだ開発段階にあるとしながらも、電子メールや電子会議などOffice製品のコミュニケーション機能の中核を担うOutlook 11の強化点を説明した。
プレゼンテーションでは、古間忍氏(マイクロソフト プロダクト ディベロップメント リミテッド オフィスサービス開発統括部)が、Outlook 11での主な強化点を「情報統合管理ツール」「効率的かつ安全な情報アクセス」「情報共有ソリューション」の3つの観点からデモを交えて解説した。
情報統合管理ツールとして強化した点は、ウィンドウを縦に3分割した「マルチラインビュー表示」と呼ばれるユーザーインタフェース。「ナビゲーションウィンドウ」(左)では、Outlookバーとフォルダツリーを統合。検索フォルダを追加し、設定した条件でメール整理できる。検索フォルダはサーバ上のフォルダと個人フォルダそれぞれで利用可能だ。また、個人用フォルダファイルは2Gバイト以上に対応した。
中央の「リストウィンドウ」では、メールをテーマ別にカテゴライズしツリー表示させるなどといったソート機を強化。クイックフラグでメールを色分けしてユーザーが見やすいように管理できる。「調査によると約80%の人がメールをプレビューで確認する」という結果に基づき、「閲覧ウィンドウ」(右)では「紙文書に近い形」で閲覧できるようにした。予定表機能では、複数の予定表を並列で表示して管理できるようになった点も強調した。
効率的かつ安全な情報アクセス機能としては、インスタントメッセンジャーとの統合を第1に挙げる。連絡先にメッセンジャーの状態を表示するなどしたほか、閲覧ウィンドウのプレビュー画面からメッセンジャーに直接アクセスできるようにした。そのほか、データをキャッシュすることでExchangeサーバとのオン/オフラインを検知、非同期でもメールにアクセスできる機能も持つ。
Outlook 11ではモバイル利用なども想定。ユーザーのネットワーク帯域幅も自動検知する機能を持った。ダイヤルアップなどのナローバンド接続ではメールヘッダと数行だけを表示し、必要なものだけダウンロードするといったLowBandwidthモードに切り替わる。
セキュリティ面では、HTMLメールの外部コンテンツを非表示にしたり、Webビーコンをブロックする機能を搭載した。この機能は、Webビーコンによるメールアドレスの流失に対処したもの。今回は言及に留まったが、RPC over HTTPコネクションに対応し、SSLでサーバに接続を可能にした点も挙げられる。
また、情報共有という面では、次期「SharePoint」との連携を挙げた。次期SharePointでは「PortalサーバとTeam Servicesを統合した」製品になるという。たとえば、チームサイトに置かれた予定表や連絡先と同期させたり、電子メールの添付ファイルを自動的に共有サイトに投稿することが実現できることになる。
次期Officeでは、Officeアプリケーションの作業ウィンドウ上でインターネットに接続してOfficeの利用トレーニングも提供する方針にあるとも語られた。Outlook 11は、次期Officeと共に「夏過ぎ」にリリースされる予定だ。
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[堀 哲也,ITmedia]