エンタープライズ:ニュース 2003/04/29 23:06:00 更新


「来年には10GbE市場が離陸する」とファウンドリーのジョンソンCEO

米ファウンドリーネットワークスの会長兼CEO、ボビー・ジョンソン氏は、ポート単価の下落にともない、来年にはいよいよ10GbE市場が本格的な成長期を迎えると述べる。

「10ギガビットイーサネット(10GbE)の導入は、今年はまだ小規模だが、来年には離陸し始めるだろう」――米ファウンドリーネットワークスの会長兼CEO、ボビー・ジョンソン氏は、先の来日時のインタビューにおいてこのように予測した。

 10GbEという技術が生まれてから数年が経過したが、いまだに普及しているとは言いがたい。しかしジョンソン氏は、「光学部品の価格が下がるにつれて、確実に10GbE市場は成長する。事実、ファウンドリーでは先日、2ポートの10GbEを搭載したモジュールを投入したが、これによりポート単価は3分の1になる」と述べた。こうした製品を通じてファウンドリーは、今後も引き続き、市場リーダーとしての地位を確実なものにしていくと強調している。

 そのジョンソン氏が、今年特に力を入れていく市場は3つあるという。1つは前述の10GbE。もう1つはVoIP。最後がコパー(銅)インタフェースのギガビットイーサネット(GbE)だ。

 例えばVoIPについては、IEEE802.3af準拠のPower over Ethernet(PoE)に対応し、IP電話端末に電源を供給できるスイッチ製品を提供するとともに、より優れたQoS機能を提供して、エンドツーエンドでのデータ/音声統合を支援していくという。

 銅インタフェースのGbEは、光ファイバベースのGbEに比べてずっと安価に提供できる。そのため、これまで予算上の制約から100BASE-TXでやりくりしていたサーバにもGbEで接続でき、「より多くのデータをサーバから引き出せるようになる。もはやネットワークのボトルネックは存在しなくなる」(ジョンソン氏)という。

 距離が長くなるビル間接続などはともかく、サーバとスイッチ、さらにはデスクトップマシンとスイッチの間までもが、銅インタフェースのGbEで接続されるようになっていくというのが同社の見方だ。「ほんの少し前までは、大半の顧客はGbEを必要としなかった。しかし今やこれがメインストリームになりつつある」と同氏は述べている。そしてこうした環境が現実のものとなれば、当然、10GbEが活用されるシーンも増えることになる。

 また急速に普及している無線LAN向けに、ファウンドリーでは、VLAN制御によるローミング/セキュリティを実現するほか、製品をIEEE802.1xに対応させ、無線LAN環境における認証とアクセス制御を実現していく。ここでさらに、トラフィックモニタリングのための仕様であるsFlow(RFC3176)を併用すれば、いつ、どのユーザーがアクセスしたかを把握し、より適切にトラフィックを制御できるということだ。実際にsFlow準拠の「IronView Network Manager」と日立製作所の「JP1」を連携させた管理ソリューションを展開しているという。

 ジョンソン氏によると、もう1つ、大きな発表が控えているという。「Mucho Grande」というコードネームで呼ばれているまったく新しいアーキテクチャの製品だ。既存の機種に比べ、処理能力および10GbEの収容密度を高めたほか、ハードウェアでのIPv6処理、いっそうのインテリジェント化が図られるという。この製品もまもなく登場する見込みだ。

関連記事
▼ファウンドリーがPoE対応スイッチ「FastIron Edge 2402 POE」「同4802 POE」を発表
▼NET&COM 2003レポート:膨大なトラフィックに備える高速ネットワーク機器

関連リンク
▼ファウンドリーネットワークス

[高橋睦美,ITmedia]