エンタープライズ:ニュース 2003/04/29 23:07:00 更新


NetWorld+Interop LasVegas 2003が開幕、縮小した会場に待つものは?

米国時間の4月27日より、ネットワーク技術にフォーカスしたコンファレンス「NetWorld+Interop LasVegas 2003」が始まった。4月29日から5月1日にかけては展示会も行われる。

 米国時間の4月27日より、ネットワーク技術にフォーカスしたコンファレンス「NetWorld+Interop LasVegas 2003」が始まった。2日目まではチュートリアルなどの教育プログラムが中心だが、4月29日から5月1日にかけては展示会も行われる。会場はおなじみの米ラスベガス・ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)だ。

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LVCCのメインエントランスに設置されたNOC(ネットワークオペレーションセンター)。鋭意準備の最中だ。

 しかし、同時多発テロ事件の起きた2001年を境に、展示会の規模は縮小傾向にある。ただでさえ通信業界では、景気低迷の影響を受けて困難な時期が続いている。そのうえ今年はイラク戦争の余波などもあり、出展社数は300社程度にとどまった。2001年の出展社数も600社弱と、前年に比べ約3分の2程度に落ち込んでいたのだが、今年はさらにその半分。かつては、大きく分けて2つあるLVCCのホールをフルに使っていたのが、今年は1つだけで十分という状態である。

 注目を集めるエリアも、数年前に比べるとずいぶん趣が違う。

 ここ数年間NetWorld+Interopの話題の1つとなっていた10ギガビットイーサネット(10GbE)だが、今年は10GbEアライアンス(10GEA)による相互接続デモンストレーションは行われない模様だ。代わりに、シスコシステムズやファウンドリーネットワークス、リバーストーンネットワークスといったベンダーが個別に展示を行う。それも、これまでとはポート単価がひと桁違う、安価な製品が登場する予定だ。価格は長らく、10GbEの普及にとって大きな障壁となっていたが、ようやく変化が訪れようとしている。

 今年、何よりも大きな関心を集めているのはセキュリティ技術だ。特に焦点となっているのは無線LAN向けのセキュリティ技術で、WEPなどで指摘されている問題点を解決すべく新製品や新バージョンが登場する見込みだ。中でも、無線LAN環境と既存のネットワークにまたがって、認証やアクセス制御、QoSを実現する「無線LANスイッチ」については、新興のアルーバやトラピーズをはじめとする複数のベンダーが製品を披露する予定である。

 また、無線LANに関する業界団体のWi-Fi Alliance(旧WECA)では、参加各社ともに、WEPの問題点を解決する「WPA(Wi-Fi protected access)」対応製品のデモンストレーションを行う予定だ。WPAは、IEEE802.11iまでの“つなぎ”として2002年10月に発表された技術だが、いよいよ正式に対応した製品が登場する。同アライアンスによるWPA準拠認定プログラムのアップデートにも期待できそうだ。また会期中には、米ICSAラボによる無線LANセキュリティ認定プログラムについてのセッションも開催される。

 セキュリティ分野では他に、IDS(不正侵入検知システム)もしくはIDP(不正侵入防御システム)やSSL-VPN製品などが焦点となる。特にSSL-VPNについては、ネオテリス、ノーテルネットワークスやアスペレといった企業が製品を披露する。

 またいわゆる“伝統的”なネットワーク分野では、VoIPのほか、既存のリソースを効率的に活用し、適切に管理し、SLAを実現するためのツール群が注目を集めそうだ。

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関連リンク
▼Networld+Interop LasVegas 2003

[高橋睦美,ITmedia]