エンタープライズ:ニュース 2003/06/06 16:36:00 更新


IBM、自社製品のグリッドコンピューティング対応を拡大

IBMは自社製品のグリッド技術への対応をさらに進め、Linux、AIXに続き、WebSphere、DB2といったアプリケーション、さらにはメインフレームeSeriesまでがグリッド化される。(IDG)

 ITリソースをより有効に活用するための手段としてグリッドコンピューティングへの支持を打ち出しているIBMは、今年後半からグリッドコンピューティング技術を自社のOSとWebSphereアプリケーションサーバに組み込み始める。IBM公式筋がカリフォルニア州サンタクララで6月5日(米国時間)から開催中のEnterprise Linux Forumカンファレンスで明らかにした。

 同社はGlobus Projectにより開発されたウェブベースのグリッド・コンピューティング・プラットフォーム、Open Grid Services Architecture (OGSA) の技術を追加する予定だ。グリッドを使う目的は、複数の分散されたITリソースを単一のユーティリティもしくはグリッドとしてプールし、データ消費者がどの場所にあろうと利用可能にすることにある。

 「これは、本物の異機種リソースによるネットワーク上の分散コンピューティングであり、明確なオープン標準によって成り立っている」とIBMのグリッドコンピューティング戦略テクノロジー担当副社長、ダニエル・パワーズ氏は語る。

 OGSAを受けるプラットフォームには、Linux、AIXからIBM eSeriesメインフレームも含まれるパワーズ氏。同社はすでにAIXとLinuxにグリッド対応プロトコルを組み込んでいる。さらに、IBMではOGSA機能をDB2データベースプラットフォームにも追加する予定である。

 IBMは業界の他社もOGSA機能を製品に組み込むだろうと予想している、とパワーズ氏。OGSA技術は2004年後半にはWebSphere上で動作するようになり、その後、同プラットフォームでより完全に統合されるとパワーズ氏は説明する。

 グリッドはIBMの「オンデマンド」コンピューティング戦略の一部だと、パワーズ氏は解説する。「オンデマンド」コンピューティング戦略は、エンタープライズが統合されたITプロセスを有し、顧客の要求や市場機会、外的危機などへの迅速な対応を可能にすることを目的とする。

 Oracleの公式筋も6月4日の同じカンファレンスでグリッドについて触れた。Oracleは顧客がグリッドを導入しやすいように、新しい機能を作り上げ、新しいハードウェアをサポートするという。この件を明らかにしたOracleのサーバ技術担当主任プロダクトマネジャーであるブラジェシュ・ゴヤル(Brajesh Goyal)氏は、その新しい機能についてはまだ話すことはできないと述べた。

 ゴヤル氏はOracleがOracle9iデータベース/アプリケーションサーバでグリッド導入のサポートを既に行っていることを強調した。

 「グリッドはコンピューティングと情報マネジメントの未来を再活性化していくだろう」とゴヤル氏は語った。

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[Paul Krill,IDG News Service]

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