エンタープライズ:ケーススタディ 2003/06/25 20:59:00 更新


初の64ビット版WindowsでBIシステムを構築する富士写真フイルム

Windows Server 2003のローンチイベントで初の64ビットWindows環境の採用企業として富士写真フイルムが紹介された。データ量の増加に伴うシステムトラブルも、64ビットのメモリ空間があれば解決可能という。

 6月25日、Windows Server 2003日本語版のローンチイベントが行われた。イベント会場では、富士写真フイルムがWindows Server 2003をベースに、データウェアハウス「SAP BW3.1C」を採用して、新しい経営情報システムを構築することを明らかにした。同システムは、Intelの64ビットプロセッサであるItanium Processor Family(IPF)を搭載したNECのExpress5800/1000シリーズをベースに、64ビットのWindows環境で構築された世界初のシステムとなる。また、システム構築は、NECが、富士写真フイルムのシステム構築および運用を担当している富士フイルムコンピュータシステムから受注する形で行う。

64ビットのメモリ空間がBIを生かす

 登壇した富士フイルムコンピュータシステムの小松日出雄氏は、「製品や販売チャネル、さらにグループを含めたユーザー数の増加によりデータ処理の負荷が増大してきた。検索クエリも複雑になり、システムダウンも起こりはじめ、64ビット環境が必要になった」と話す。

 SAP R/3を採用する同社は、生産から販売、在庫状況などをリアルタイムで照会できるシステムを運用している。今回は、これを64ビットWindows環境に移行すると同時に、必要なレポートを個人が自由にWebから取得する環境をBW3.1Cを使って構築する。

サーバ統合で運用コスト削減を目指す

 一方、ハードウェア環境は、NECのExpress5800/1320Xdと、SAN対応ディスクアレイ「iStorage S2300」が採用された。最大32CPUを搭載できるExpress5800/1320Xdが持つパーティション機能を利用することで、従来10台のアプリケーションサーバで行っていた業務を統合する。

 いわゆるサーバ統合により、運用管理を一元化して、TCOの20%以上の改善を目指しているという。パーティション機能を提供するIPF系の製品には、UnisysのES7000などもあるが、いずれもメインフレームから技術を応用している。

 この日登場したNECの執行役員常務、小林一彦氏は、「メインフレームの技術をIAサーバに応用していきたい」と話している。

 また、SAPの藤井清隆社長は、同社が推進するNetWeaverについてアピールした。NetWeaverは、今後自社だけでなく、サプライヤーやパートナー企業など、異種システムと接続するニーズに対応したもの。.NETやJ2EEが掲げるXML を使ったWebサービスに対応していることも強調されている。

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[怒賀新也,ITmedia]