エンタープライズ:ケーススタディ 2003/06/29 18:45:00 更新


IT People:自分が欲しいものを作っているときが一番楽しい

 ITコンサルティング企業で約10年間システム開発に従事し、「予定通り」起業したエンジニアの佐藤毅さん。サーバサイドJavaについて雑誌での執筆、Java OneではBOFを務めるなど活躍中の同氏に、第1回のIT Peopleのゲストとして話を聞いた。
名前 佐藤毅さん(38歳)。通称「つ∞たん佐藤」
職業 ITコンサルタント、システムエンジニア、プログラマー、社長。
所属 エヌジィ・マット・コーポレーション(ngMAT Corporation)
出身地 埼玉県
早稲田大学理工学部数学科を受けたつもりが合格してみたら地学科だったため、受験をし直し、翌年上智大学理工学部電気電子工学科に入学したという佐藤さん。

 ITコンサルティング企業で約10年間システム開発に従事し、「予定通り」起業したエンジニアの佐藤毅さん。サーバサイドJavaについて雑誌での執筆、Java OneではBOFを務めるなど活躍中の同氏に、第1回のIT Peopleのゲストとして話を聞いた。

過去

 1989年アーサーアンダーセンアンドカンパニー(アンダーセンコンサルティングを経て現アクセンチュア)入社、1998年ngMAT Corporation設立。

 前職では、生産計画立案支援システム(MS-DOS上でのC言語)、医療研究機関の業務支援システムの設計、97年には通信事業者向けにJavaベースのシステム開発者向けツールの開発など10以上のプロジェクトを担当。

現在

 ngMAT設立後、ケンコーコムなどの顧客のWebシステム開発とテクニカルコンサルティングを手掛ける。また、サーブレットを手軽に構築するためのパッケージ製品「EZServlet」の開発および販売など。指定した時間になると電子メールが送られてくるサービス「ネットメザマシ time-to-go」もWeb上から提供している。

 2002年3月のSun Tech Day super BOF、2002年9月のJavaOne Japan Conference powerfull BOF、2003年2月のSun Super Tech Days Powerful BOF for Server side Javaに登場。技術評論社、ソフトバンクパブリッシング(JAVA Developer)などで執筆活動も行う。

ZDNet EZServletとは?

佐藤 Javaは簡単な言語ですが、サーブレットはSunのAPIの自由度が高すぎて、誰でも正しく使うのは難しいものです。もっと楽にWebアプリケーションを作るためのフレームワークを作っています。

 一般に、asp、phpやjspを使ってWebアプリケーションを構築する場合、HTMLリソースのオーナーが明確でなくなる場合があります。そのため、デザイナーがプログラムを壊してしまったり、リソースのバージョンが戻ってしまうことがあります。EZServletは、デザイナーとプログラマーのリソースを完全に分離します。つまり、穴空きの回答用紙をデザイナーが作り、空欄を埋めるロジックをプログラマーが作るという開発ができます。2年前から有償販売していますが、自らも開発者であると同時にユーザでもあり、毎月のようにバージョンアップしているので、使い勝手、安定性も非常に高くなっています。

ZDNet Java言語全般についてどう考えていますか?

佐藤 非常に簡単に扱えてよくできた言語だと思います。Javaを使う場合、メモリを破壊するなどの分かりにくいバグが作りにくい。コンパイラ、実行環境がよくできているので、壊そうと思っても壊せないようになっています。

注目の技術

 agrets (日本IBM東京基礎研究所が開発したモバイルエージェント。現在はオープンソース)。

(編集部注:「複数の計算機の間を自律的に移動できるプログラム」と定義することが多い。次世代の分散システムの中核技術として注目を集める。)

趣味、息抜きなど

 「ゲーセン。Pop'nmusic9にはまっています。携帯電話でドラクエモンスターズをする(但し、505未対応のため現在お休み中)。本当はFOMAにしたかったのですが、505が出てしまったので買うしかなかった。通話もしてないのに、ゲームだけで携帯電話の請求が2万を超えてしまいます」

ITに関わっていて楽しいと思うとき

「“世の中一般の人より先に”新しいことを知ることができるとき。ゲームをやっていてなんとなく中身の仕組みが分かってしまうとき。自分で“欲しい!”と思うものを作っているとき。」

ITに関わっていてやめたいと思うとき

 「ない! ってこともない。やっぱり、この仕事は儲からんなぁ〜と思うとき。」

技術の進化について

 「常に新しいことをやってきたので、技術がどんどん変わってくれたことは楽しかった。初めてパソコンを触ったときは32Kバイトくらいのメモリ。10年ちょい前でも10Mバイトのハードディスクが10万円くらいしました。プログラムも楽になりました。かつては、アセンブラで四則演算とメモリの代入、移動くらいしかできませんでしたので。」

PC

 「デスクトップはショップブランド、ノートPCはVAIO、サーバはPentium III/1GHzを積んでおり、OSはTurboLinuxです。Turboは非常に使いやすい。Red Hatでは公開したとたんに攻撃対象になりやすい」

常に考えていること。

 「とにかく、楽をしていいものを作る。そのための手段を作る苦労は厭わない。受託開発ビジネスは自分の時間を切り売りして働くので、時間的な限界がある。また、仕事がある時とない時の波がある。そのため、“サービスや製品を売る”という違った形のビジネスモデルを考えている。その1つがEZServletやtime-to-go。」

そのほか

 よく聴く音楽はR&B、JPOP。ミュージシャンでは平井堅、宇多田ヒカル、Misia、bird、モンド・グロッソが好き。

関連記事
▼エンタープライズトップページへ
▼ケーススタディトップへ

関連リンク
▼ngMAT Corporation
▼ネットメザマシ time-to-go
▼ケンコーコム

[ITmedia]