エンタープライズ:ニュース | 2003/07/02 05:10:00 更新 |
Itaniumの性能はムーアの法則の数倍の速さで向上、とインテル
インテルは新Itanium 2と新Xeon MPの発表に合わせ、これらエンタープライズ向けプロセッサの優位性を示すためのセミナーを開催した。吉田社長はItanium 2プロセッサの性能が今後3年間に5倍以上にもなるとの予測を明らかにした。
インテルは7月1日、0.13マイクロメートルプロセスで製造し、最大6Mバイトの3次キャッシュを搭載する新Itanium 2プロセッサ(コードネーム「Madison」)および新しいXeonプロセッサMP(コードネーム「Gallatin」)を国内で発表した。インテルではこの発表に合わせ、都内のホテルにハード/ソフトベンダーやIAサーバのユーザー企業代表らを集めて、新プロセッサをアピールする“エンタープライズセミナー”を開催した。
セミナーの冒頭でスピーチした、代表取締役共同社長の吉田和正氏は、インテルの優れた半導体技術によって、ムーアの法則が今後10年に渡って継続し、2007年には10億トランジスタを集積した動作周波数10GHzのプロセッサが登場すると述べた。また、吉田氏はこのスピーチの中でItaniumプロセッサファミリ(IPF)の今後の性能予測グラフを見せ、半導体技術の進歩やマルチコア化、次世代バスの採用などによって、2006年には従来のItanium 2(コードネーム「McKinley」)の10倍、Madisonの6〜7倍の性能に達するとの予測を披露した。この性能向上は、ムーアの法則による性能向上の3.5倍にもあたるという急激なものだ。
吉田氏に続いては、米Intelのエンタープライズ・プラットフォーム事業本部エンタープライズ・マーケティング&プランニング・ディレクターのアジェイ・マルフォトラ氏がスピーチした。マルフォトラ氏は企業のITシステムにおいて、IAサーバが信頼性や性能の向上などにより、対RISCサーバで価値を高めているという状況や、新Itanium 2や新Xeon MPがさまざまなベンチマークでRISCを凌駕する性能を記録したことなどを解説した。
またマルフォトラ氏のスピーチでは、インテルのプロセッサが、数多くのハードウェアベンダーおよびOSベンダー、アプリケーションベンダーのサポートを得ていることが強調された。特にItanium 2については、さまざまなベンダーがビデオで登場して、広範な支持を得ていることを示した。
さらに続いて、電通国際情報サービス、NTTコムウェア、野村総合研究所、東京大学地震研究所など、SIerやユーザーが次々に登壇して、Itanium 2の性能やシステムの安定性について事例を交えて発表した。
参加者に対し、Itanium 2を使ったシステムが基幹業務を含むさまざまな用途に使われつつあるという印象を強く与えるイベントだった。
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[佐々木千之,ITmedia]