エンタープライズ:ニュース 2003/07/03 09:39:00 更新


IPv6ネットワークに負荷分散機能を、F5が実機でデモを披露

F5ネットワークスジャパンはNetWorld+Interop 2003 Tokyoで、「BIG-IP」によるIPv6トラフィックの負荷分散デモンストレーションを披露している。

 F5ネットワークスジャパンはNetWorld+Interop 2003 Tokyo展示会のブースにて、「BIG-IP」を利用してIPv6トラフィックの負荷分散を行うデモンストレーションを披露している。

 BIP-IPシリーズは、負荷分散、トラフィック制御やコンテンツ管理、SSLアクセラレーションといった多様な機能を提供するネットワーク機器だ。F5ネットワークスは昨年末、BIG-IPでIPv6をフルサポートする方針を示していたが、会場ではそれが実際に動く様子を見ることができる。BIG-IPのバックエンドには、IPv6サーバ群とIPv4サーバ群を設置。ここにIPv6端末からv6ネットワークを経由してアクセスするという内容だ。

F5のデモ

BIG-IPを用いたIPv6負荷分散のデモ

 NetWorld+Interopでは当たり前のように利用されているIPv6だが、現場、特に企業ネットワークでの採用となるとまだこれからだ。というのも、ルータやスイッチなどのIPv6対応によってプロトコル自体を通すことはできても、TelnetやTracerouteなどの各種コマンド/ツール群が整備されていなかったり、ファイアウォールなどの対応が進んでいないからだ。負荷分散装置もIPv6対応が待たれる機器の1つで、F5ネットワークスはこうしたニーズを受け、特に日本市場をにらみながら開発を進めてきたという。

 米F5 Networksのプロダクトマネジメント/マーケティング担当上級ディレクター、エリック・ギーサ氏は、BIG-IPのIPv6サポートによって大きく2つのメリットがもたらされるという。「まず、企業はIPv6導入にまつわるリスクを軽減できる。BIG-IPはIPv4、IPv6の両方をサポートするため、サーバやネットワーク全体を一度に入れ替える必要はなく、既存の資産を生かしながら徐々に移行を図ることができる」(同氏)。もう1つのメリットとは、もともとBIG-IPがフォーカスしてきたパフォーマンスや信頼性、アベイラビリティの向上だ。「IPv4ネットワークに提供しているのと同じ機能をIPv6環境でも提供していく」(ギーサ氏)。

 同じく来日したダン・マット氏(F5 Networks、プロダクトマネジメント/マーケティング担当副社長)によると、一連の機能をIPv6に対応させるため、アーキテクチャは大幅に変更されたという。しかしIPv6対応に当たっては、ハードウェアを入れ替えることなく、ソフトウェアのアップグレードのみで実装できるようにするという。

 F5ネットワークスでは、顧客からの反応も踏まえながらさらに開発を続け、年内には対応機を出荷する方針だ。さらに翌年には、MobileIPv6の対応も図るという。

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関連リンク
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[高橋睦美,ITmedia]