エンタープライズ:ニュース | 2003/08/27 21:15:00 更新 |
SCOのマクブライドCEO名義の詐欺メールが広まる
SCOのCEOであるダール・マクブライド氏がパロディーの標的となっている。「UNIX税」を求める彼らの戦略を詐欺メールの手法とだぶらせているのだ。(IDG)
UNIXベンダーのThe SCO GroupとIBMとの法廷闘争に触発されて、オープンソースコミュニティーはすべての状況をパロディー化する必要があるものと判断したようだ。
最近数週間、SCOのCEOであるダール・マクブライド氏が自らタイプしたとされる偽電子メールが多数のWebサイトに掲載されている。このパロディーは定期的にメールボックスに送られてくるナイジェリアからの詐欺メールを模倣したもので、その文章はすべて大文字で書かれ、涙ながらに助けを求めている。メッセージタイトルもナイジェリアからのメールと同じで、“YOUR URGENT ASSISTANCE REQUIRED”「至急、貴方の助けが必要です」というものだ。
マクブライド氏はこのパロディーメールに対するコメントを拒否した。
この偽メールはインターネットコンサルタントのNetcraft、NewsForgeなど、いくつかのWebサイトに掲載されている。
SCO/IBMの法廷闘争をちゃかしたパロディーの本文は次のとおり:
紳士淑女のみなさま:
私の名前はダール・マクブライドと申します。現在、THE SCO GROUPの社長兼最高経営責任者を務めています。THE SCO GROUPの前身はCALDERA SYSTEMS INTERNATIONALといい、本社はアメリカ合衆国ユタ州のリンドンに本社があります。突然このような手紙が届き、驚かれたかもしれません。私たちは過去においてやり取りをしたことも、仕事上の取引をしたことがなかったからです。
私の同僚は先頃、10億ドルの価値を持つと推定されるコンピュータソフトウェアを持っていることを発表しました。私は確固たる自信を持ちこの手紙を書いているのですが、あなたの助力を得てその資金を至急、取得したいのです。
THE SCO GROUPに籍を置く私と同僚はUNIXとして知られているオペレーティングシステムの完全かつ正当な所有者なのです。私たちのエンジニアは、成り上がりのオペレーティングシステムであるLINUXの中に私たちの貴重でプロプライエタリなソースコードが少なくとも70行以上含まれていることを発見しました。これにより、数百万行以上の貴重なソフトウェアコードから構成されるLINUXの販売で高い利益を得た多くの企業に対し、要求する権利が生ずるのです。当社の法務専門家は、私たちの貢献は10億ドルの価値を持つと助言しました。
私は同僚から貴方に連絡を取るように指示を受け、貴方の助けを求めているのです。私はあなたにこのビジネスに参加する権利を与えることもできます。それにより貴方は非常に高額の利益を得ることができるようになり、この貴重なソフトウェアを使う権利も持つことができるのです。貴方以外の誰かがこの有利な取引条件を受ける前に、今すぐにこのビジネスに参加してはいかがでしょうか。貴方から教えていただく銀行口座番号から私たちが適切な金額の基金を引き出し、それがこのビジネスに参加する担保となります。貴方のクレジットカードの番号と有効期限、もしくは“SCO GROUP”を支払い先とした署名済み小切手(金額は空けておいてください)でもかまいません。
この申し出は非常に重要なので、秘密厳守でお願いします。この取引が100%合法で安全であることを、この私が率直に保証します。
このメッセージはニューズグループのrec.humor.funnyにも投稿されている。
ユタ州リンドンに本社を置くSCOはIBMに対し、SCOが所有するUNIXコードをLinuxオープンソースプロジェクトに違法に流用し、IBMの売り上げで利益を得たとして、10億ドルを請求した。訴状はその後、修正されて賠償請求額は30億ドルになった。IBMは今月、SCOを反訴している。
関連記事波紋を広げるSCOの知的所有権問題
[Todd R. Weiss,IDG News Service]
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.