エンタープライズ:ケーススタディ | 2003/10/02 21:05:00 更新 |
IT People:エンジニアの「浪花節」は好き
サイベースのセールスエンジニアリング部部長を務める花木氏に聞いた。前職でイトーヨーカドーの基幹システムの開発、運用を務めていた同氏は、エンジニアとセールスの両方の側面からITへの関わりについて話してくれた
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過去
大学卒業後、システムインテグレータのジャノメクレディア入社。イトーヨーカドーの本部のシステム開発およびメンテナンスを5年間にわたり担当。IBMメインフレーム環境でCOBOLで開発を行ったという。
ZDNet イトーヨーカドーのシステムを扱っていて得たものはありますか?
花木 イトーヨーカドーは常に顧客を向いており、システムのためのシステムを作ったりはしない企業でした。
また、一般に、外資系の企業で働くと、「自分のミッション以外はやらない」といった雰囲気を感じます。しかし、前職のシステムインテグレータで働いていたときは、人の仕事も自分が泥をかぶってやろうとする人も多くいました。自分としては、そういった浪花節的なところを持った人の方が好きです。「イトーヨーカドーに育てられた」という感覚はあります。
ZDNet 楽しかったことは?
花木 本番稼動の瞬間はいつも感動します。夜間バッチがメインだったため、カットオーバーのときはたいてい徹夜でした。ワンステップずつプログラムが正常終了する様子を見ていました。
現在
サイベース入社後8年間、主にプリセールスエンジニアとして活躍。最初の1年はデモ&イベントを担当した。200回以上のプレゼンを経験したことで、「内気で根暗なエンジニアだった性格が変わった」と笑う。
ZDNet プレゼンのコツは?
花木 すべての人に平等にプレゼンしてはいけないことが分かりました。自分の話を真面目に聞いてくれる人を早く見つけ、その人に対して畳み込むように話すのがコツです。聞いていない人を見ながらプレゼンするのはつらいですから。聞いている人が反応した言葉に応じて内容を変えていくようにしていました。
2年目以降はプリセールスエンジニアを担当。「自社製品のオタクにならない」ように気をつけました。OSやハードウェア、セキュリティ、ネットワーク、プログラミング言語など、業界の周辺知識を広く知っていることが大事になります。
ZDNet セールスを担当していて、IT投資についてどう感じていますか?
花木 ハードウェアの需要が一巡しないとソフトウェアも変わっていかない。例えば、サンマイクロシステムズは、プロビジョニングの考え方を展開しており、サーバ管理の自動化、仮想化を推進しています。有限のハードウェアをうまく使いこなす技術が登場することで、ソフトウェアも刷新されていくと考えます。
ZDNet サイベースを今後どう進めていきますか?
花木 Sybaseの製品は、シンプルであるという最大の強みがあり、それはパフォーマンスの高さとランニングコストの低さにつながっています。これまでは「商売下手」であることも否定できませんでした。今後は、エンジニアへのアピールを強化します。例えば、技術情報などをなるべくWebに掲載し、「サイベースのホームページを見ればだいたいのことは載っている」という状態にしていきたいと考えています。
また、携帯電話向けのデータベースにSybaseは多く使われています。今後は、単に使ってもらうのではなく、携帯電話上でのビジネスモデルを作り出すようなことも考えています。
注目の技術
「やはりRDBMSです。特に、VLDB、DWH分野における“大規模化”という問題をどのようにねじ伏せるか、XMLハンドリングがどのように実装されるかなど、興味は尽きません。」
ITに関わっていて楽しいと思うとき
「新しい技術が次々に出現して、それに触れられること。」
ITに関わっていてやめたいと思うとき
「テクノロジー以外の要素、例えば、政治力などでサイベース製品が採用されない場合などは悲しくて泣きたくなります。ベンチマーク性能で負けることはほとんどないのに、“うちは標準がOracleだから”などと言われて断られることもあります。」
最近考えていること
「技術部門のマネジャーは現場を離れるとただの管理人になってしまいます。最新の技術にどう対応すべきかなのかいつも悩んでいます。」
趣味、息抜き
「最近,同僚に触発されて15年ぶりにバイクに乗り始めました。毎週のようにお台場や神宮公園を走っています。“中年暴走族”とでも呼ぶのでしょうか。久々に頭の中が空っぽになった気がします。反面、休日に仕事をしなくなりました。(笑)」
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