特集
2003/10/08 21:33 更新

UNIX USER2003年11月号「Pragmatic UNIX」より転載
シスログの運用 (4/8)


UNIX USER 2003年11月号より転載

シスログの中央管理
 ここまで各OSデフォルトの設定を見てきましたが、複数台のマシンを管理しなければならないときは、どうしても管理作業が煩雑になってしまうでしょう。そこで、ここからはネットワーク上の1か所にシスログを集め、中央管理する方法を紹介します。これで管理作業もずいぶん軽減するはずです。

 まずネットワーク構成についてですが、ここでは図1のような環境を想定しました。

図1
図1 シスログを中央で管理する

 また、設定の方針ですが、LinuxとFreeBSDで使える特別なセレクタ指定を使わずに互換性を優先しました。こうすることで、サーバー側(ログメッセージの受け取り側)とクライアント側(送り側)の2種類の設定ファイルを考えるだけでよくなります。クライアントの台数やOSに依存することなく1つの設定ファイルを共通して使え、管理コストを効果的に抑えられるわけです。

 なお、サーバーのホスト名は「loghost」にしました。これをDNSやNISマップに登録しておき、ホスト名称によるアクセスができるようにします。また、ログを集めるマシンはUDPの514番ポートを受け付けないといけないので、ファイアウォールの設定も随時確認、変更しておいてください。

●syslogdの受信用オプション
 ほかのマシンからのメッセージを受信する際のsyslogdの設定は、
・Solarisではデフォルトで許可
・LinuxとFreeBSDではデフォルトで拒否
となっています。デフォルトで拒否しているのは、不用意に受信許可にしておくと、不当なメッセージ送り付け攻撃を受ける可能性があるためです。たとえば、loggerコマンドを使うと任意のメッセージを簡単に作成できるので、メッセージ送り付け攻撃は容易に実現できます(コラム参照)。

 ほかのマシンからのメッセージ受信を許可する指定は、OSごとにさまざまです。表1に設定方法をまとめておきますので、それを参照してサーバーの設定を変更してください。

表1 リモートマシンからのメッセージを許可する指定

OS デフォルト 拒否オプション 許可オプション 指定する場所
Solaris 許可 -t -t /etc/default/syslogd
Linux 拒否 なし -r /etc/sysconfig/syslog
(Red Hat Linux)
/etc/rc.d/rc.inet2
(Plamo Linux)
/etc/init.d/sysklogd
(Debian GNU/Linux)
FreeBSD 拒否 「-s」または「-ss」※a -a 許可ホスト※b /etc/rc.conf
※a)「-ss」はソケット自体をオープンしない
※b)192.168.1.0/24のようなネットワーク指定でも可

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