エンタープライズ:ニュース 2003/11/11 18:28:00 更新

Microsoft Information Worker Day 2003 fall
基調講演:情報を「力」に変えることがOffice Systemの役割

11月11日、マイクロソフト主催の「Infomation Worker Day 2003 fall」が開催された。基調講演には米国本社からOffice担当副社長が駆けつけ、国内の企業ユーザーに新Office Systemのメッセージを送った。

 マイクロソフトによる企業ユーザー向けイベント「Infomation Worker Day 2003 fall」が11月11日、東京・台場のホテルで開催された。前回は今年3月に行われ、それに続く今回は、先日国内でもリテールによる販売が開始された「Office 2003」と、プラットフォームとなるWindows Server 2003を核としたOffice Systemをフィーチャーした内容となり、基調講演を含む計4つのセッションで構成された。

 その幕開けとなる基調講演には、MicrosoftのOffice担当シニアバイスプレジデント スティーブン・シノフスキー氏が登壇。シノフスキー氏は1994年からOfficeチームに参加、現在は副社長としてOffice製品開発の総責任者というポジションにある。

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Microsoft Office担当シニアバイスプレジデント スティーブン・シノフスキー氏。


 シノフスキー氏は冒頭に、過去から現在まで、ITを使った仕事のやり方、すなわちインフォメーション ワークがどのように変化してきたかに触れ、もはやソフトウェアが仕事による生産性の向上に欠かせなくなったと説明。しかしながら、その使い方にはまだ改善の余地があるという。

 「確かに文書はデータ化され、コミュニケーションの多くは電子メールが利用されるようになった。だが、一つの書類を作るのに膨大なコピー&ペーストの手間をかけ、日々のメールのやり取りにのべ数時間も電子メールソフトに向かっているというようなことが、現在でも行われている。」

 つまり、今までのITは必ずしも生産性の向上にダイレクトに結びついていなかったのではないか。シノフスキー氏はそう問いかける。「インフォメーション ワークは長い道のりをたどってきた」(同氏)。

 マイクロソフトがほぼ二年半ぶりにバージョンアップしたOfficeは、「System」の名を冠して統合的なプラットフォームに変貌した。これは、「個人」「チーム」「組織」のそれぞれに統合的なイノベーションをもたらすための変化だとシノフスキー氏は言う。

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Office SystemはWindows Server 2003を根幹として、プログラム、サーバ、ソリューション、サービスが密接に連係する。


 Office Systemは、WordやExcel、Outlookといったおなじみのアプリケーションと、SharePointやExchangeといったサーバ製品群、それにイネーブリングテクノロジーの基盤となるWindows Server 2003とでもたらされる総合的なソリューションシステムとなった。シノフスキー氏によれば、もはやOffice Systemは一つ一つのアプリケーションのパッケージングではなく、プログラム、サーバ、ソリューション、サービスを最もよい形で組み合わせて、顧客へよりよいインフォメーション ワークの提供を可能にする統合システムになったという。

 ビジネスプロセスの統合に大きな役割を果たすXMLへの対応や、企業内機密情報管理の新しい提案となるIRM(Information Rights Management)、またInfoPathやOneNoteといったエキサイティングな新しいアプリケーションを備え、「Office Systemはすべてのユーザーに適用してもらえるものになった」と同氏。

 「情報をさまざまな『力』に変えること、これがインフォメーション ワークであり、そのための助けとなるのがOffice Systemになる」(シノフスキー氏)。

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[柿沼雄一郎,ITmedia]