エンタープライズ:ニュース 2003/11/18 20:32:00 更新


COMDEX:AMD曰く「32ビットチップ最後の日は近い」

AMDは本気で64ビットに移行する構えだ。同社幹部は2005年末までに32ビットプロセッサの製造を停止するとの可能性を示唆した。(IDG)

 Advanced Micro Devices(AMD)はおそらく2005年末には32ビットプロセッサの製造を停止するだろう。COMDEXで行われたAMDの64ビットプロセッサに関するパネルディスカッションの中で、AMD幹部はこう予測した。

 「それは2005年のタイムテーブルになると考えている。2005年の後半だ」とAMDのマイクロプロセッサ・ビジネス・ユニットで副社長兼ジェネラルマネジャーを務めるマーティー・セイヤー氏は語った。

 セイヤー氏はAMDでは「文字通り、顧客が望む限り」32ビットチップの販売を継続すると言い添えたが、64ビットのOpteronとAthlon 64プロセッサの価格が切り下げられれば顧客が32ビットプロセッサを購入し続ける理由は少なくなるとも述べた。

 現時点ではAMDが出荷するプロセッサの大半が32ビットだが、新しい64ビットチップは性能を落とさずに32ビットアプリケーションを実行できるよう設計されている。

 AMDは2004年中に数千万個の64ビットプロセッサを出荷する計画だが、そのときにはAMDの32ビットチップよりも高価ではなくなっているからだとセイヤー氏は述べている。

 同社は今後3年間で5000万個から1億個の64ビットプロセッサを出荷する予定だとセイヤー氏。

 1年前には64ビットの自社製品が存在しなかったことを考えればAMDの目標は野心的なものだが、AMDは今週、自社の64ビットシステムで2社からの新しい支持表明を得た。Sun Microsystemsは2004年にOpteronベースのサーバシステム出荷を開始すると発表し、Hewlett-Packardは最初のAthlon 64システムであるCompaq Presario 8000Zをリリースした。

 パネルに出席した他の業界幹部は、64ビットシステムへの切り替えはセイヤー氏が予言した2005年よりも遅くなると予想する。

 64ビットシステムへの転換期はAMD予想の2年後である2007年になると予想するのは、ビデオゲームメーカーであるEpic Gamesのマーク・レイン副社長。同氏の予想では、そのときまでにはIntelとAMD両社から十分な数の64ビットシステムが供給されており、64ビットマシン専用のゲームを出荷できるようになるという。

 Epicは既にマルチプレイヤーのアクションゲーム、Unreal TournamentのAthlon 64版を準備中で、2004年のリリースを予定している。レイン氏によれば、同社の社内開発ツールは64ビットアーキテクチャへの移行を済ませているという。

 しかし、Rackspace Managed Hostingのエンジニアリング担当副社長であるポール・フロウタン氏は、AMDは64ビットプロセッサに32ビットのサポートを組み込んでしまったので64ビットにアプリケーションを対応させる意味がなくなり、その結果64ビットシステムの採用は遅れると指摘している。

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