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2004/02/16 17:53:00 更新


EPS3で企業のウイルス大規模感染を防ぐ、トレンドマイクロ

トレンドマイクロは、従来のEPSを拡張し新たに「脆弱性診断」「ネットワークレベルでのウイルス対策」という視点を盛り込んだEPS3を発表した。

 トレンドマイクロは2月16日、大規模感染を防ぐ新ウイルス対策戦略「Trend Micro Enterprise Protection Strategy 3」(EPS3)を発表した。ウイルス対策ライフサイクルを包括的にカバーする従来のEPSを拡張し、新たに「脆弱性診断」「ネットワークレベルでのウイルス対策」という視点を盛り込んだ。これに合わせた新サービスおよび新製品が同時発表されている。

大三川彰彦氏

「EPS3を一言で言えば、脆弱性予防とネットワークウイルス対策」と大三川トレンドマイクロ執行役員


 トレンドマイクロがEPS3に至った背景には、2003年の「Blaster」に代表されるネットワークウイルスによる大規模感染被害がある。Windowsの脆弱性を突いた攻撃は、対策が不十分な「持ち込みPC」による内部感染として広まり、このトラフィックによって企業のネットワークが占拠される状態を招いたうえ、既存のソリューションでは感染拡大の速度に追いつかなかったという事情がある。持ち込みPCが原因となったことから、セキュリティポリシー管理の難しさも浮き彫りにした。

 これに対し、トレンドマイクロがEPS3でとるアプローチは、これまでのEPSで採用してきた「事前予防」「ウイルス検出」「復旧」の3段階で捉えるサイクルに加え、さらに「脆弱性予防」という事前対策フェーズを盛り込むというもの。「ウイルス対策を時間軸で徹底的に追求した」(大三川彰彦トレンドマイクロ執行役員 日本代表)。

 脆弱性予防フェーズに対応する「脆弱性診断サービス(Vulnerability Assessment)」を新たにサービスラインに加え、マイクロソフト製品に対する脆弱性情報を24時間体制で提供する。これを利用すれることで、ウイルスに悪用される恐れの高い脆弱性を残したコンピュータを特定、診断することを可能にする。同日発表されたネットワークウイルス対策アプライアンス「Trend Micro Network VirusWall 1200」と連携すれば、セキュリティリスクを抱えたPCを強制隔離することも可能だ。

 Network VirusWall 1200は、企業内のコアとなるレイヤ3スイッチとLANスイッチの間などに設置するネットワークウイルス対策アプライアンス。ネットワークに流れるパケットを監視し、ウイルスパターンファイルを使ってウイルスを検出、感染PCを隔離する。ウイルス対策ソフトが未導入、セキュリティパッチが当たっていないなど場合は、ネットワーク参加を禁止することができる。

 これらを統合管理する「Trend Micro Control Manager 3.0」も発表されている。Control Manager は、EPS3の各種サービスを管理するだけでなく、Network VirusWall 1200の管理コンソールとしても機能する。同バージョンでは、Control Managerを2階層に配置して、遠隔拠点にある複数のControl Managerを本社など一カ所から統合管理できるようにしたのが特徴だ。2階層の上位に設置できるのはエンタープライズ版のみとなり、こちらは有償提供される。

 Network VirusWall 1200は4月30日から受注を開始し、価格は202万4000円(ハードウェア+250管理ユーザーライセンス)。Control Manager 3.0エンタープライズは、3月26日発売で5アカウント6950円から、スタンダードは無償。脆弱性診断サービスは3月26日から提供し、5アカウント5万550円からとなっている。

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[堀 哲也,ITmedia]

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