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2004/02/18 17:27:00 更新


JTC 2004、東京電力にみるスタンドアローンJavaアプリケーションの実力

生活に密着する基幹システムこそ、堅牢さが求められるいちばんのシステムだ。電力という誰もが関わるインフラのシステムにもJ2EEが採用された。JTC 2004基調講演では、東京電力から小久保氏が招かれた。

 Sun 3daysの2日目になる18日、東京・ホテルニューオータニでサン・マイクロシステムズ主催のカンファレンス「Java Technology Conference 2004」の基調講演では、国内でJavaを基幹システムとして取り入れるベンダー代表者が多数登壇した。

 なかでも異色ながら、強烈なインパクトとなったのは、東京電力で構築されたスタンドアローンJavaアプリケーションだった。

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電力制御を行うデモ画面では、何ら処理が遅く感じることのないアプリケーションだと分かる


 登壇した東京電力、技術開発本部の小久保 隆氏は、「まずはデモを見てほしい。この画面を見ればイメージが伝わるかと思いますが、電力制御を行うアプリケーションです」と語り、さらに、いっさいネットワークを介さないスタンドアローンのJavaアプリケーションであることを明かした。

 UFJ銀行と同じく、基幹システムダウンが社会問題へと即結びつくだけに、電力基幹での採用は「当初、社内では疑問視の声が多かった」と小久保氏。

 しかし、採用した理由について、十分な応答速度が確保できた点や、制御界では有名なようにオブジェクト指向との相性が良い点を挙げる。このため、Javaの特徴そのものが制御系処理と相まっているのだという。また、「ガベージコレクション問題も解消されており、今や発電力すべての制御をJavaアプリケーションで作り込むことが可能になったのです」と語った。

 なお、19日(木)まで開催中のJTC 2004パビリオンでは、この電力制御システムが持ち込まれ、実演されている。プラント丸ごとではないものの、その壮観さにはJavaの可能性を感じてしまうだろう。

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[木田佳克,ITmedia]

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