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2004/04/08 11:44 更新


「ワイヤレスとモビリティが働き方を変える」とインテル

インテルは4月7日と8日の両日にわたり、開発者向け会議「Intel Developer Forum Japan Spring 2004」を開催している。

 インテルは4月7日と8日の両日にわたり、開発者向け会議「Intel Developer Forum Japan Spring 2004」(IDF Japan Spring 2004)を開催している。用意されたセッションの内容を見ると、モバイルやワイヤレスといったテクノロジに関するものが多い。初日に行われた基調講演の内容も、その傾向を反映したものとなった。

 初めに壇上に登場したショーン・マローニ氏(Intel主席副社長兼インテルコミュニケーションズ事業本部長)は、Wi-FiやBluetooth、第3世代の携帯電話技術、将来的にはWireless USBや「ワイヤレスDSL」「ワイヤレスWAN」を狙ったWiMAXといった技術によって、あらゆるPCやハンドヘルド端末が接続され、相互にコミュニケーションできるようになる、という同社の青写真について説明した。しかも、こういった複数の無線技術を、状況に応じてシームレスに使い分けられるようにすることが重要だという。

マローニ氏

基調講演に登場したショーン・マローニ氏

 この手の技術はもっぱら、コンシューマーやデジタルホームの世界の文脈で語られることが多い。しかし同時に、「ワーキングスタイルの中に、Wi-FiやW-CDMAといったワイヤレステクノロジが現れ、成長しようとしている」(マローニ氏)のも事実という。同氏は、ヒュンダイ自動車での導入例を挙げ、Wi-Fi対応のPDAやCentrinoを搭載したノートパソコンの活用が、従業員の生産性向上につながることを示した。

 同様に、モバイル/ワイヤレス技術が企業にもたらす効果について語ったのは、アナンド・チャンドラシーカ氏(Intel副社長兼モバイル・プラットフォーム事業本部長)だ。

 同氏は、今年第2四半期に提供予定のDothanや次世代チップセットのAlviso、それらによって構成される新プラットフォームのSonomaといった新たな技術に触れ、これらを通じてコンシューマー市場への展開を広げていく方針に言及。だが同時に、一連の技術は「人々の働き方も変えていくものだ」と述べている。

 「企業のCIOやITマネジャーが求めている、デジタルオフィスの実現に必要な要素は、コラボレーション、モビリティ、セキュリティ、そしてマネジャビリティ(扱いやすさ)だ」(チャンドラシーカ氏)。

チャンドラシーカ氏

コラボレーション、モビリティ、セキュリティとマネジャビリティという4つの要素をともに提供していくと述べたチャンドラシーカ氏

 こういった要素が求められる背景には、ワークスタイルの変化があるという。従業員が同じ場所で、同じ時間に作業するというこれまでのやり方が占める比率は減ってきた。代わりに増加しているのは、各々がノートパソコンを通じてシームレスに通信し、離れた場所にいながらコラボレーションを行うスタイルである。というのも、そのほうが生産性の向上を望めるからだ。

 「モビリティが今、出現しつつある。コラボレーションもまさに、出現しつつある」(チャンドラシーカ氏)。

 ここで課題となるのはセキュリティだ。これを実現するために「ハードウェアの革新、ソフトウェア的な革新、それにポリシーを組み合わせて、セキュリティの向上を実現していく」と同氏。具体的には、Trusted Platform Module(TPM)とLaGrandeといった技術を通じて、これまで以上に安全なコンピューティング環境を実現していくという。また、壇上で紹介されたコンセプトモデルには、指紋認証機能を搭載し、不正なユーザーによる悪用を防ぐ仕組みを盛り込んだ。

 また、管理性向上の面では、「Intel Stable Image Platform」を展開していく。名前のとおり、主要な部分には大きな変更を加えず、必要最小限の手直しで導入を可能にするための技術で、企業システム運用上の大きな課題となっているTCO削減を手助けしていくという。

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[高橋睦美,ITmedia]

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