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2004/04/30 09:38 更新


Veritasのユーティリティモデルの現在形とは? 「VERITAS VISION 2004 Las Vegas」開催へ

Veritasは、米国時間5月3日に開催する「VERITAS VISION 2004 Las Vegas」で、ユーティリティコンピューティングの現在形を示す。ユーティリティへのコミットが顧客へ受け入れられるか、今年の同社にとって大きな課題だ。

 「ユーティリティコンピューティングを実現する」。そうメッセージを発し、米Veritas Softwareのゲイリー・ブルーム会長兼CEOは、静かに硬く拳を握り締めた。昨年5月、ラスベガスで開かれた同社のカンファレンス「VERITAS VISION 2003」で発表されたこの戦略以来、Veritasはことあるごとにユーティリティコンピューティングの実現に向けたメッセージを発し続けてきた。

 ブルームCEOの発表後、開かれた記者会見では、記者からIBMの進めるオートノミックコンピューティングやSun MicrosystemsのN1などとの違いを盛んに尋ねられ、「単一のシステムベンダーがプロプライエタリに行うものではない。既存の環境にVeritasのソフトを載せていくことでユーティリティを可能にしていくものだ」と、同社のやり方が顧客の側に立っていることを強調した。

 ユーティリティへのコミットが実際に顧客へ受け入れられるかは、今年の同社にとってある意味大きな課題だ。この戦略発表から1年、今年5月3日(米国時間)から開かれる「VERITAS VISION 2004 Las Vegas」では、「UTILITY. NOW」をテーマに設定した。パートナーのソリューションとの連携よるユーティリティコンピューティングの現在形を示すという。基調講演には、Network Appliance、Sun、Novellの名前が連ねられている。

 先日の来日の際、ブルームCEOの片腕でチーフマーケティングオフィサーを務めるジェレミー・バートン氏は、ユーティリティコンピューティングへの深いコミットを宣言したものの、「米国でもまだその価値の理解には結びついていない」と明かした。今回のカンファレンスではこれを踏まえ、顧客企業の戦略とVeritasのユーティリティモデルとのマッピングをうまく行いたいという。

 ユーティリティのモデルもクライアント/サーバモデル、インターネットの登場期と同様、混乱時期を経て定着する、というのが同氏の見方。混乱期をいち早く抜け出すためにも、今回のテーマは避けて通れない。

 また、同社がこの戦略を実現していく上で手に入れた新技術も一つの見所となりそうだ。昨年JarevaとPrecise Softwareの買収に続き、ユーティリティ戦略を強化すべく今年1月にEjasentを買収した。Ejasentの仮想化技術は、需要に応じてアプリケーションに割り当てるサーバの数を動的に切り替えることができるものとしている。この製品もユーティリティモデルを実現するビルディングブロックの一つとして近いうち同社の製品ラインに加わる予定だ。

 同社のユーティリティコンピューティングの現在形とは何か、買収によって獲得した新技術はどのようにかかわってくるのか、VERITAS VISION 2004 Las Vegasで初めて詳細が語られるはずだ。

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[堀 哲也,ITmedia]

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