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2004/05/05 15:13 更新
基調講演:
ユーティリティ戦略の要、ITのサービスレベルを可視化するCommandCentral
製品オペレーション担当のマーク・ブレグマン上級副社長は、プロダクトの視点からVeritasユーティリティの方向性を掘り下げた。強化が発表された集中管理コンソールの「CommandCentral」は、ひときわフォーカスが当てられた。
ユーティリティコンピューティング戦略発表後の1年間で、Veritas Softwareはアプリケーションパフォーマンス管理の「VERITAS i3」、集中管理コンソール「VERITAS CommandCentral Service 3.5」をはじめとする新プロダクトを含む9製品のリリースしてきた。
「ユーティリティのビジョンを掲げるのVeritasはだけではないが、既存の投資を最大限活用できるはVeritasだけだ」とする専門家からの声もあるという。その理由は、ビジネスの必要に応じてユーティリティを実現していけるビルティングブロックというコンセプトを採用しているからだろう。
「VERITAS VISION 2004」初日午後の基調講演には、製品オペレーション担当エグゼクティブバイスプレジデントのマーク・ブレグマン氏が登場し、ユーティリティコンピューティングを支えるプロダクトの視点からVeritasの目指す方向性が掘り下げて説明した。
ユーティリティコンピューティングを実現するうえで必要となるアーキテクチャのうちで、基盤となるのは、ストレージやサーバプールといった仮想化やプロビジョニングによるリソースの共有化だ。その上で、ポリシーベースによるインフラの視点やビジネスの視点からサービスをリンクして提供することになるというが、それにプラスして「共通のコンソールからサービスレベルを可視化する必要が出てくる」とブレグマン氏。
このコンソールとなるソフトが、「VERITAS CommandCentral」という中央管理コンソールで、このカンファレンスではひときわ大きくフォーカスされている製品といえる。昨年のVISIONカンファレンスで発表され、11月に第一弾となるCommandCentral Services 3.5が米国で発売されている。ブレグマン氏は、「ユーティリティコンピューティングの中核となる製品」と、CommandCentralファミリーを位置づける。ビルディングブロックの中では、自動化の製品に当てはめられている。
同ファミリーとして、同日アップデートが発表されたServices 4.0に加えて、SAN管理ソフト/ストレージリソース管理ソフトを統合した「CommandCentral Storage 4.0」と、クラスターを可視化する「CommandCentral Availability 4.0」の2製品も追加された。
Storage 4.0は、オン/オフラインのコンポーネントをシームレスにつなげ、一つのストレージ環境として見ることを可能にする。業界標準となりつつあるストレージ管理インタフェース標準SMI-S(Storage Management Interface Specification)をサポートした。
Availability 4.0は、クラスタを可視化、運用のコントロールを集中化することで、効果的にサービスレベルアグリーメント(SLA)を満せるという。アプリケーションの可用性を高めるためには、的確な予測を行うことも重要になってくるという。VERITAS Global Cluster Managerの機能が組み込まれ、クラスタの活動経歴データを集中的に維持し、レポートやトレンド分析が行えるようになったという。
また、Veritasでは製品の統合化も進めている。今年買収で手に入れたEjasentのアプリケーション仮想化技術「Upscale」と「VERITAS Cluster Server」を組み合わせることで、例えばVERITAS i3が検知したアプリケーションのSLA違反が発生した場合、あらかじめ決められたポリシーに応じて、クラスター内で負荷の低いサーバに自動的に割り当てられる機能についても示された。
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[堀 哲也,ITmedia]
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