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2004/05/11 18:12 更新


ディスクバックアップに移行する段階にきた、EMCジャパンがディスクバックアップ製品を投入

EMCジャパンは、既存のテープライブラリのバックアッププロセスを変更することなく、ディスクベースのバックアップに移行できるディスクバックアップ製品「EMC CLARiX DL」を発表した。

 EMCジャパンは5月11日、既存のテープライブラリによるバックアッププロセスを変更することなく、ディスクベースのバックアップに移行できるディスクバックアップ製品「EMC CLARiX Disk Library(DL)」を発表した。

 ストレージ管理の60%はバックアップに関連したものといわれ、広く使われているテープを利用したバックアップでは、夜間の時間内に終了できない、リストトアに時間がかかりすぎる、信頼性への不安などの問題が指摘されている。

 「テープからディスクベースのバックアップに移行する段階にきたのではないか」とEMCジャパンマーケティング本部の宮治彦本部長代理。比較的安価なATAディスクドライブを搭載した「CLARiX ATA」の販売の65%はディスク・トゥー・ディスクのバックアップ目的で利用されおり、昨年3月に発表したCLARiX ATAの販売は12Pバイトに及んでいる。

 とはいうものの、エンタープライズと呼ばれる大企業および中規模企業の国内テープ市場は現在でも500億円規模。この巨大市場をいかに簡単にディスクベースのバックアップに移行させるか、にEMCは着目したという。

 今回発表されたEMC CLARiX DLは、バックアップソフトに対しATAディスクをテープライブラリとして認識させることができるエミュレーション機能を搭載したのが特徴。既存のテープライブラリと同じ構成をCLARiX DL上でエミュレートすることで、バックアップソフトや、運用プロセスを変えることなく、ディスクベースの高速なバックアップ/リストアができる。最大32台のテープライブラリ、256台のテープドライブをエミュレーションできるので、散在していたテープ装置をCLARiX Disk Library1台に統合化することにもつながるという。

 テープに不満を持ちながらもディスクベースに移れない事情には、「テープは取り出してオフサイトで保管できる点が大きい」(雨提政昭プログラムマネジャー)。そこでCLARiX DLでは、テープ装置と連動しポリシーベースで自動的にテープへ書き出す機能も備えたという。また、テープの特徴でもあったデータの圧縮機能もサポートしており、最大3分の1まで圧縮でき、ATAディスクの採用と共に経済性を高めたとしている。

 CLARiX DL 700/300の2製品があり、DL 700は425Mバイト/秒の継続パフォーマンス、最高58Tバイト(圧縮時174Tバイト)の有効ストレージ容量を持つ。DL 300は、225Mバイト/秒の継続パフォーマンス、最大12.5Tバイト(圧縮時37.5Tバイト)の有効ストレージ容量を持つ。

CLARiX DL700

EMC CLARiX Disk Library 700


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[堀 哲也,ITmedia]

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