IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003プレビュー

今回の総合イベントの中で、「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」は、濃密な技術情報を提供するディベロッパー向けの有料コンファレンスとして催される。そのセッションでは、「WebSphere」をはじめとするIBMソフトウェアの詳細な技術情報や実践的な活用ノウハウ/テクニック、さらには、J2EE/Webサービスによる「e-business on demand」の実現手法などが広く語られるもようだ。

包括的なテクニカル・コンファレンス

 「developerWorks Live!」は、IBMが世界規模で展開しているソフトウェア開発者の支援プログラム(ディベロッパー・リレーション・プログラム)の一環として催されるもので、同じく開発者支援のWebサイト「developerWorks」のライブ版として企画されている。米国では、これと同じイベント、すなわち、「IBMdeveloper Works Live!」が毎年行われているが、日本国内での開催は今回が初めてとなる。

 一方の「WebSphere 2003」は、アプリケーション・サーバを中核にしたIBMのミドルウェア製品群「WebSphere」に焦点を絞ったコンファレンスである。昨年まで、このテクニカル・コンファレンスは独立したイベントとして実施され(昨年の名称は「WebSphere 2002」)、数多くのディベロッパー/ユーザーから高い評価を得てきた。

 今回、そのセッション内容が、技術者向けに一層拡充・強化され、IBM developer Works Live!と併せて提供されるのである。

Java初心者から開発/運用/管理のプロまでをトータルにサポート

 IBM developerWorks Live! with Web Sphere 2003のコンファレンスは3日間の会期をフルに活用して展開される。

 そのセッション・トラックの1つ「サーバ・サイドJava入門」(27日/28日)は、Javaやアプリケーション・サーバを「これから」使用しようと考える技術者向けのトラックだ。また、Javaの初心者に向けては、ハンズオン形式のトレーニングを行う「初級ハンズオン」(27日)といったトラックも提供される。加えて、「DB2アドバイザー」や「WebSphereアドバイザー」などのIBMが実施している認定技術者試験を、その場で受験できるコーナーや対策講座も展開されるもようだ。

 一方、ソフトウェア開発のプロフェッショナルに向けては、「Webアプリケーション開発」(27日/28日)や、「Javaエキスパート・ハンズオン」(28日/29日)といったトラックが用意され、ビジネス・アプリケーションの構築手法が実践形式で解き明かされていく。さらに、J2EEアプリケーションの立ち上げや維持・運用などにかかわる技術情報を凝縮したトラックとして、「アプリケーション・サーバ管理」(27日/28日)が用意される。

 今回のIBM developerWorks Live! with WebSphere 2003で注目すべきセッション・トラックは、ほかにもある。

 その1つは、最新のソフトウェア技術全般を扱った「オープン・スタンダード最新技術」(27日/28日)のトラックである。

 同トラックのセッションで取り上げられるテーマは、米国のIBM developerWorks Live!のセッションで好評を博したものばかりだ。しかも、今回のIBM developer Works Live! with WebSphere 2003では、そうしたセッション・コンテンツを米国からそのまま持ってくるのではなく、「e-business on demandを支える最新技術をいかに実装していくか」といった、より実際的で、日本の技術者のニーズに合致した内容の講演が、日本人講師によって行われる。

 加えて、IBM developer Works Live! with WebSphere 2003では、「Tivoli」や「Lotus」、「DB2」など、IBMソフトウェアの主要ブランドにフォーカスを当てたテクニカル・セッションが数多く展開されるほか、ラショナルソフトウェアによるセッションも組まれている。周知のとおり、ラショナルは、UMLモデリング・ツールのリーディング・ベンダーであり、今年2月、その製品ブランド「Rational」がIBMソフトウェアの第5のブランドとなった。そうしたRational製品にフォーカスを当てたセッションが、今回早くも登場し、UML開発プロセスなどの汎用的なテーマに加えて、製品の技術的な詳細や方向性、さらにはそれらを用いた効果的な開発技法/方法論が語られるのである。

次世代eビジネスの実現に向けて

 以上のように、IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003では、J2EE /Webサービス・アプリケーションの開発手法から、オブジェクト指向設計/開発の方法論、フレームワーク、ビジネス統合、ポータル、データベース構築・管理、ビジネス・インテリジェンス(BI)、グループウェア/コラボレーション、さらにはセキュリティ/システム管理に至るまで、これからの技術者に必要な情報が網羅される。これらのセッションは有料となっているが、それだけの価値が期待できると言ってよいだろう。

 eビジネスの新たな時代に向けた技術ノウハウをいち早く身に付けたい――そう考えるのであれば、ぜひ、IBM developer Works Live! with WebSphere 2003に足を運ばれてみてはいかがだろうか。

「IBM developerWorks Live! with WebSphere 2003」の主なセッション構成

5月27日
トラック名 13:00−14:20 14:50−16:10 16:40−18:00
サーバー・サイドJava入門 サーバ・サイドJava
開発 超入門
分解?改造!Javaアプリケーションから
Webサービスへ
自分で作れる
Webアプリケーション
アプリケーション・サーバ管理 こんなに簡単!Webアプリケーション・
サーバの導入と構成
やさしく解説、
大規模Webシステム構築の極意
問題判別虎の巻、2003編
Webアプリケーション開発 Webシステムのデザイン・パターン
〜すぐ使えるe-bizアプリ構築の定石〜
楽々開発、
サーブレット、JSP、EJB
Eclipseプラットフォームと
商用IDEの興亡
オープン・スタンダード
最新技術
時代は多様化とインテグレーションへ〜IBMのソフトウェア戦略と最新動向〜 最新Webサービス技術
非同期・疎結合を目指して
ワークフロー・アプリケーションを
オープン・スタンダード技術で構築
ビジネス・ポータル&
ビジネス統合
Portal構築とPortlet開発 WebSphere Portal Server構築と
コラボレーション活用例
どこでも Notes... を実現する
WebSphere Everyplace Access
データベース DB2 V8新機能詳細解説 Linuxクラスタの構成方法+
PHP, Perlから使うDB2 on Linux
DB2 Spatial Extender解説
スペシャル・セッション
デモで検証!
.NETとWebSphere
Rational開発技法 @IT特別セッション 反復開発の進め方 UML入門
Rationalチーム開発 @IT特別セッション WSADの開発資産を
バージョン管理するための統合環境
Java/Webアプリケーションの
機能テスト
初級ハンズオン
WebSphere Studio入門 WebSphere Studioによる
Servlet/JSP/Bean基礎演習

5月28日
トラック名 10:00−11:20 13:00−14:20 14:50−16:10 16:40−18:00
サーバー・サイドJava入門 サーバー・サイドJava入門 Javaオブジェクト
指向設計 超入門
名刺代わりに
携帯対応ホームページを
Tomcatを本格的なWebアプリ
ケーション・サーバにステップアップ
アプリケーション・サーバ管理 これで納得、パフォーマンス・
ベストプラクティス
実践テクニックでわかる
WAS V5の運用・管理
簡単ツールで、最新ビジュアル
Webアプリがこんなに楽に作れる
問題判別虎の巻、2003編
Webアプリケーション開発 これでわかった
Webサービスの開発の実際
Strutsとオープン・ソース・
フレームワーク徹底活用術
企業向けアプリケーション開発の
決め手、テストとチーム開発
樋口研究室メンバーと語ろう〜今どきの
e-bizアプリ構築スキルの身に付け方〜
オープン・スタンダード
最新技術
EJBコンテナで
ついに実現した非同期処理とは
XMLとWebサービスを語る On Demandへの路
〜グリッド・コンピューティングのすべて〜
On Demandへの路〜オートノミック・
コンピューティングのすべて〜
ビジネス・ポータル&
ビジネス統合
「MQとJavaでちゃんぽん」
ライブ
ビジネス・インテグレーション
最新情報
ビジネス・インテグレーションの
メッセージング技術によるソリューション
SAP/R3とWebSphereの
ビジネス・インテグレーション
データベース PostgreSQLから
DB2への移行
WebSphereとDB2で作る
Webサービス
.NET環境下でのDB2 Information Integrator
ラッパ開発
コラボレーション コラボレーション・コンポーネント
(ST、QPなど)を使ったWeb/Notesアプリ
基幹連携(LEI6) Webアプリ on
Domino/Notes -> Web
DB2 XML Extender解説
Rational開発技法 @IT特別セッション Rational Unified Process
入門
ビジネス・ユースケースから
システム・ユースケースへの偏移方法
UML 2.0が導く組み込み/
リアルタイム・システム開発
Rationalチーム開発 @IT特別セッション Rationalが提唱する
ソフトウェア構成管理アプローチ
開発資産を
再利用するための取り組み
Linuxプラットフォームにおける
システム開発と品質検証
Javaエキスパート・ハンズオン
WebSphere Studioによる
Webサービス開発演習
WebSphere Studioによる
Javaプロファイリング演習
WebSphere Studioによる
Struts Webアプリケーション開発

5月29日
トラック名 10:00−11:20 13:00−14:20 14:50−16:10 16:40−18:00
On Demandへの路 教科書的なオブジェクト・モデリングと現実的なアプローチ モデルからコンポーネントへ コンポーネントによるSOA
(サービス指向アーキテクチャ)の具現化
SOAからオンデマンドへ
(オンデマンド・コンピューティングを支える技術)
コラボレーション 未定 Domino toolkit
for WebSphere Studio
e-Learning ロータス開発環境戦略
コラボレーション ND6移行詳細 Domino Designerによる開発の幅
―LotusScript、@関数、そしてJava
Dominoパフォーマンス・
チューニング
ST/EMS構築&管理
ディレクトリ統合と
システム管理
IBM Tivoli Monitoring の
リソース・モデル開発手法
Webサービスによる
シングル・サインオンの実装方法
企業内アイデンティティ管理と
ディレクトリ統合
OracleからDB2への移行
データベース Information Integrator
サンプル・コード
Content Managerの
概要と優位性
DB2 Spatial Extender解説 金融マーケット・リアルタイム
データ処理解説(FFCM)
WebSphere相談室 WebSphereスペシャリストに
質問・相談できるコーナー
Rational開発技法 @IT特別セッション UMLによるテスト・モデリング 基礎から学ぶソフトウェア・テスト UML入門
Rationalチーム開発 @IT特別セッション 要求管理成熟度の5段階 デザイン・パターンとコードテンプレートを
活用した開発の加速
Rational Unified Process入門
Javaエキスパート・ハンズオン
WebSphere Studioによる
Webサービス開発演習
WebSphere Studioによる
Javaプロファイリング演習
WebSphere Studioによる
Struts Webアプリケーション開発

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