Sun Mainframe To Open Solution
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メインフレームからオープンシステムへ:そのメリットとリスク
メインフレームからオープンシステムへ。この流れが世界的に加速している。全世界でのメインフレームの出荷台数は年々減り続けており、この5年間で半分以下になったという調査結果もある。一方、日本での昨年の実績を見ると近年になく増加となったようだ。もう一度オープン化の意義を考えてみたい。なぜこれだけ急速にシステムのオープン化が進んでいるのか。それはオープンシステムには数々のメリットがあるからにほかならない。

オープンシステムがもたらす数々のメリット

 ここでまず、オープンシステムとはいったい何なのか、いま一度明確に定義しておこう。オープンシステムというと“レガシー(旧時代の)システム”との対比で語られることが多いが、これは必ずしも正しい説明ではない。レガシーではない“新しいシステム”でも、オープンでないものは存在する。ベンダーの壁を超えた標準化が確立されており、その実装方法についてベンダー間の競争が存在すること、これがオープンシステムの定義なのである。

 このような“オープン性”が、実際にどのようなメリットをもたらすのか。ユーザ企業にとって最も重要なのは、選択の権利が手に入るということだ。公開された仕様に基づいた複数のハードウェアやソフトウェアが存在すれば、その中から自社のシステムに最適なものを選択できる。また垂直統合型のシステムとは異なり、必要な要素だけを組み合わせられるという柔軟性もあるため、システムのトータルコストを削減したり、ビジネス環境の変化に応じてシステム構成を変えていくといったことも容易だ。つまり全体が最適化された、無駄のないシステムを実現できるのである。

 また最近では人材の確保・育成も、オープンシステムの方が容易になっている。最近の若いエンジニアの多くは、ベンダーの枠に縛られる技術よりも、標準化された“つぶしのきく”技術を身につけたがっているからだ。メインフレーム全盛時代に活躍していた優秀なエンジニアも、今ではその多くが50歳代になっており、2007年以降は急速に数が減ってくるといわれている。これがいわゆるメインフレームの“2007年問題”である。

 オープンシステムだからこそ、可能になるシステム形態も存在する。例えば、複数の企業の基幹システムを柔軟に連携させる“Webサービス”は、オープンシステムならではの技術であり、モバイル端末から安全にアクセスできるシステムも、インターネット技術の標準化によって支えられている。データベースに蓄えられた、膨大なデータを自由自在に活用するナレッジマネジメントシステムも、オープンシステムの登場によって現実的なものになった。最近、話題に上ることの多いグリッドコンピューティングも、オープンシステムでなければ実現できないものだ。

メインフレームのリスクとオープン化のリスク

 もちろんメインフレームを使い続けることが、必ずしも“悪いこと”であるというわけではない。例えば、オープンシステムならではの技術や機能が求められていない場合には、必ずしもオープン化する必要はない。また、これまで問題なく使い続けていたシステムに、あえて手を入れる必要はないという考え方もある。メインフレームを使い続けるには、それなりに高額なリース料を支払続ける必要があるが、オープン化という“変化”に伴うリスクを回避するための料金だと考えれば、決して高くはないという判断もあるだろう。

 しかしメインフレームを使い続けることが、新たなリスク要因を生むとしたらどうだろうか。まず第1に、メインフレームに対応可能なエンジニアの確保は、前述のように年々難しくなっていく。メインフレーム固有の4GLに馴染みのないエンジニアが一般的になれば、アプリケーションの修正やメンテナンスも困難になるはずだ。また、現在のように変化の激しい時代には、システムも柔軟性が求められる。メインフレームのように“ブラックボックス化”されたシステムでは、この要求に応えることは簡単ではない。

 さらに、メインフレームからオープンシステムへの移行が実は想像以上に簡単で、それほどのリスクを伴わずに実行できるとしたらどうだろう。本当に高額なリース料を払い続けてまで、メインフレームを残す必要があるのだろうか。

日本企業の新たな飛躍は戦略的なIT投資から

 メインフレームをオープン化すべきか否かを考える時に、もうひとつ視野に入れていただきたいのが、現在の経済状況である。日本経済はバブル崩壊から長い間低迷を続けてきたが、昨年頃から上向きになりつつある。上場企業の多くは増収・増益を果たしており、なかには過去最高益を達成した企業もあるほどだ。これに伴いビジネスの競争原理も、大きく変わったと考えるべきだろう。これまでの“守りの経営”から、“攻めの経営”へと転じることが求められているのだ。

 ここで重要な役割を果たすのが“戦略的なIT投資”である。現在のビジネス環境では、もはやIT抜きに競争優位を確保することなど不可能だ。企業の多くは、積極的なIT投資を行うことで、ITのコスト構造を大きく変えつつある。つまり既存システムの維持に費やされるコストの割合を大幅に抑制し、新たなビジネスモデルや付加価値につながるIT投資を増やしているのだ。

 現状維持から新たな挑戦へ。これが今、IT投資の大きなトレンドになりつつある。このような環境の中で、メインフレームを維持し続けることがどのような意味を持つのか。賢明な読者であれば、すぐに答えが出るはずだ。

 ここで気になるのが、メインフレームをオープン化するリスクが、本当に小さいのかどうかである。次回は、メインフレームをオープン化する複数の手法を紹介しながら、最も低いリスクでオープン化を果たすにはどうすればいいのかを考えていきたい。

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 フォームは使用されているハードウェア、オペレーティング・システムのバージョン、VSAMや Sequentialのファイル数、アプリケーション数、DC/DBの種類などを例にならって記入するのみです。これにより、どこから手をつければ良いかさえも分からなかったメインフレーム移行のための手順や必要となる作業が明確となり、移行のためのプロジェクトの規模感を把握することができます。

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