Sun Mainframe To Open Solution
Sun Mainframe To Open Solution
メインフレームからオープンシステムへと移行するための3つの手法
変化し続けることが求められる時代には、IT投資も現状維持からの脱却が必要だ。ただ単にメインフレームを維持し続けるためにコストを投じるのではなく、新たな“戦略的IT投資”に重点を置いて資金配分することこそが、競争に勝つための必須条件になる。それではメインフレームをオープン化するには、どのような方法があるのだろうか。

これまでの主流はリビルドとリライト

 メインフレームからオープンシステムへの移行方法としては、これまで大きく2種類の手法が使われてきた。“リビルド”と“リライト”である。

 リビルド(Re-build)は、ビジネスロジックのレベルからシステムを見直し、根本的にシステムを作り変えてしまう方法だ。メインフレームからオープンシステムへの移行では、約80%がこのリビルドを採用しているといわれている。その代表格といえるのがERPパッケージの導入であろう。

 この方法は、新しい時代に最適なシステムを構築できるというメリットがある反面、現行のシステムをスクラップ&ビルドするための時間やコストが必要だ。そのため大きな節目が来た時でないと、実行が難しいという問題がある。例えば1999年には、“2000年問題”が解決すべき重要案件として取り上げられたが、メインフレーム上の基幹システムを、ERPパッケージに移行した企業の中には、このタイミングで実施したところが少なくない。

 リライト(Re-write)は、ビジネスロジックはそのまま維持し、プログラムコードだけをJavaやC言語で書き直す方法だ。これによってメインフレーム上の既存アプリケーションを、オープンシステム上で実行可能にする。リビルド以外の残り20%は、このリライトを採用しているといわれている。

 このように、メインフレームからオープンシステムへの移行では、これまではリビルドとリライトがほぼ100%を占めていた。しかしこれらの方法はいずれも、移行作業にかなりの労力が必要になる。これがハードルとなり、オープン化に踏み切れなかった企業も多かったはずだ。しかし、実はこのふたつの方法よりも、はるかに低コスト・低リスクで、すぐに効果の現れる方法がある。それがサン・マイクロシステムズ(以下、Sun)が提供する“リホスト(Re-host)”という方法だ。

リホスト:より低コスト/低リスクな第3の方法

 リホストとは、メインフレーム上の業務アプリケーションをそのまま、オープンシステム上で動かすというもの。つまり、プラットフォームの部分だけを、オープンシステムに入れ替えてしまうのだ。リビルドやリライトで必要となるアプリケーションの再構築・書き換えはほとんど必要ない。このため移行に伴うコストや時間を最小限に抑えることができ、失敗のリスクも少なくてすむ。

Sunが提供する新しい価値

 しかしその効果は極めて大きい。以下に示すのは、265MIPSの能力を持つメインフレームから、リホストによってオープン化を果たした、システムのコスト削減効果を計算したものである。初年度は新規購入するサーバやソフトウェアのコストが必要になるが、メインフレームのメンテナンス料、ソフトウェアライセンスが不要になるため、2年目から収支がプラスになっている。3年間のコスト削減効果は実に70%を超えているのだ。

Sample TCO Analysis

 Sunがリホストという手法を提供できるのは、メインフレーム互換の2種類ミドルウェアを持っているためである。ひとつは「Sun Mainframe Transaction Processing Software(MTP)」と呼ばれるもの。これは、トランザクション処理機能を提供し、メインフレーム上のトランザクションをそのまま実行できる。もうひとつは「Sun Mainframe Batch Manager Software(MBM)」。これは、バッチ処理機能をオープンシステム上で実現するもので、メインフレーム上のバッチ処理も、オープンシステムに移行可能になる。

リホスティングの概念

 Sunの“Mainframe To Open ソリューション”の最大の特長は、これら3種類の手法をうまく組み合わせることで、顧客企業に最適な提案を行える点にある。いずれの手法を採用すべきかは、システムが置かれた環境や、オープン化の目的などによって異なってくる。最終的にはリビルドやリライトが必要な場合でも、最初はできるだけ低いリスクでオープン化を達成したいというニーズは少なくない。Sunならリホストという、Sunならではの手法を提案することで、このニーズに対応できる。また、その後にリビルドやリライトが必要になった場合でも、一貫したサポートが受けられるのである。

オープンシステムへの移行は最終目標への第一歩

 Sunの“Mainframe To Open ソリューション”でもうひとつ注目したいのは、オープンシステムへの移行が最終目標ではないということだ。最終的に目指しているのは、全体が最適化されたシステムの実現である。

 Sunはそのための基盤として、ネットワーク・コンピューティングのスループットを、最大限に引き出すためのマイクロプロセッサ戦略に基づき、チップ・マルチスレッディング(CMT)テクノロジの採用などを、積極的に進めている。これによって、プロセッサのスループットは現在の最大30倍にまで高まり、膨大な処理能力を低コストで利用できる“スループット・コンピューティング”が実現できる。このような豊富なリソースの上で、全体的に最適化を行うことで、ITはさらに新たな価値を生み出すようになるのだ。

Rehostから全体最適へ

 リホストやリライト、リビルドといった手法を用いた、メインフレームからオープンシステムへの移行は、そのための第一歩に過ぎない。逆の言い方をすれば、近い将来にやって来る“スループット・コンピューティング”時代の果実を享受するには、いまからオープンシステムへの移行を果たしておくべきなのである。

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