2012年はPCとスマートフォンの脅威が過去4年間で最多
McAfeeの最新レポートからPC、Mac、モバイルデバイスのすべてでマルウェアが急増している実態が分かった。推奨対策を交えて解説する。
(このコンテンツはマカフィー「McAfee Blog」からの転載です。一部を変更しています。)
スパマーやハッカーによる絶え間ない攻撃のため、2012年は1月以来、800万件もの悪意あるソフトウェアのサンプルが新たに検出されています。「McAfee脅威レポート:2012年第1四半期」によると、PCを対象にしたマルウェア(悪意あるソフトウェア)は、すでに過去4年間で最高に達しており、PC、Mac、モバイルデバイスすべてのカテゴリにおいて、これまでにないスピードで増加しています。中でも最も重要なのは、Android搭載デバイスをターゲットにしたマルウェアが急増していることです。一方、Macをターゲットとした攻撃も増加しており、マルウェアの合計は2012年内に1億件という記録的な数に達する可能性が出てきています。
レポートの内容
- 2012年第1四半期、モバイルマルウェアは急増し、合計8000件のサンプルが収集されています
- Androidを対象とする脅威は7,000件近く検知されました
- 四半期ごとのPCを対象とするマルウェアの検出件数は、2012年第1四半期において、過去4年間で最大でした。2012年第1四半期のマルウェアサンプルの収集件数は、2011年第4四半期の7500万件から8300万件へと増加しています
- Macを対象とするマルウェアは、PCを対象とするマルウェアと比べるとはるかに少なく、Macを対象としたマルウェアの新規サンプルは約250件、Macのウイルスソフトを偽装したマルウェアの新規サンプルは約150件でした
- 全世界のスパムの水準を見ると、3月の月間スパム数が1兆件をわずかに上回る程度まで減少しました
マカフィーのオンラインセキュリティ脅威の専門家、Robert Siciliano(ロバート・シシリアーノ)は、次のように述べています。「2012年第1四半期にはモバイルマルウェアが急増し、その大半がAndroidプラットフォームを対象としたものでした。2011年中頃には数百件だった脅威が、すでに数千に達しています。モバイル攻撃を目的としたマルウェアの大半は、公式ではないマーケットで配布されるアプリケーションに組み込まれている事が多いため、そうした場所からのインストールや使用はやめましょう。それによってセキュリティ侵害によるリスクを緩和できます。デバイスや、デバイスに保存されたデータをきちんと保護して管理しておかないと、サイバー犯罪者に支配されてしまいます」
サイバー被害を受けないためのヒント
PC、Mac
- PCやMacのアップデートが配布されたら、なるべく早くダウンロードし、最新の脅威から保護しましょう
- 提供元の分からないアプリケーションは、絶対にダウンロードやクリックをしないようにしましょう
- Web検索には、安全なサイトかどうかを検索結果に表示してくれるツールなどの使用をお勧めします
- セキュリティソフトウェアをインストールしてコンピューターの安全を維持しましょう
モバイルデバイス
- アプリとその公開者をきちんと調査し、評価をチェックしましょう。多くの人が使用しているアプリ、または身近な友人や同僚に薦められたアプリをインストールする方が安全です
- Google Playなどの、定評があり、よく知られたアプリストアから購入するのが賢明です。Androidユーザーが、マーケットで掲載認可されていないアプリをインストールしてしまうのを避ける1つの方法は、デバイスのアプリケーション設定メニューで提供元不明のアプリオプションの選択を解除することです。このオプションがない場合は、ご使用のサービス・プロバイダーがすでに対策を施しています
- アプリをインストールする際には、パーミッションのリストが表示されます。そこには、連絡先、カメラ、場所といったデバイスのハードウェアやソフトウェアコンポーネントへのアクセスが許可されたサービスの一覧が記載されています。パーミッションの画面に不審な点がある場合、そのアプリはインストールしないようにしましょう。例えば、ゲームや目覚ましのアプリであれば、連絡先にアクセスする必要はありませんし、そういったデータをデバイス外に送信する機能も必要ないはずです
- 新しいモバイルデバイスを購入したら、他のアプリの前に、まずウイルス対策ソフトをインストールすることをお勧めします
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