日本政策金融公庫、約2年半で3つの基幹システムを共通基盤に移行
一般企業でも3年以上かかるケースがあるITインフラの共通化を約30カ月で実現した。マルチベンダーの汎用機をオープン系に移行している。
日本政策金融公庫が、これまで複数ベンダーのメインフレームで運用してきた「国民事業」「農林事業」「中小事業」の3つの基幹業務システム基盤を約30カ月でオープン系の共通基盤に移行させた。これを実施した富士通が4月28日に発表している。
従来のシステムは、富士通ほか数社のベンダーの13台のシステムで稼働しており、システムごとに開発や運用、保守などが異なることから、コストの高止まりに課題を抱えていたという。
基盤の共通化で富士通は、200台のブレードサーバのPRIMERGY BX900と、OSにRed Hat Enterprise Linux、アプリ実行環境にRed Hat JBoss Enterprise Application Platform、ハイパーバイザにKVMを採用したシステムを構築。運用管理ツールのSystemwalkerで統合的に運用管理をできるようにした。200台のPRIMERGY BX900は、サーバラック16本に収まるサイズという。「中小事業」用システムのオープン化ではCOBOLとJavaを使っている。
オープン系システムへ移行の本格的な検討は2010年度に始まり、2011年12月に構築をスタート。2014年5月までの約30カ月で完了した。富士通が受注した額は、共通プラットフォーム「プライベートクラウド」の構築で78億円、「中小事業」システムのオープン化で28億円の計106億円としている。
今後のシステム維持コストは年間で約3割削減される見込みだという。
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