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AlphaGoが李氏に一敗、「この敗北データはAIの学習のために非常に貴重」と開発者

人工知能「AlphaGo」に三連敗したプロ棋士の李世ドル氏が“ファンタスティックな一手”で第4局を勝ち取った。AIの開発者は李氏を讃え、「AlphaGoを鍛えるために、優秀な対戦相手が必要だった。この敗北データは非常に貴重だ」と語った。

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 米Googleの人工知能(AI)部門DeepMindが開発する「AlphaGo」(アルファ碁)と韓国のプロ棋士・李世ドル(Lee Sedol)氏の5番勝負の4局目で、李氏が初めて勝った。

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勝利決定直後の李氏

 対局後の記者会見では“李世ドルコール”が沸き起こり、李氏は「一勝しただけでこんなに喜ばれたのは初めてだ。(中略)三敗後のこの一勝にはとても価値があると思う。皆さんの声援に感謝する」と笑顔で語った。

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記者会見での李氏

 DeepMind創業者のデミス・ハサビス氏は李氏の勝利をたたえ、「李氏は素晴らしい棋士で、今日はAlphaGoにとって強すぎた。この一敗はわれわれにとって非常に貴重なものだ。この敗北のデータを持ち帰り、AlphaGoの今後の学習に役立てたい」と語った。

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李氏を賞賛するデミス・ハサビス氏(中央)

 同氏は第4局を振り返り、李氏が78手で“ファンタスティックな一手”を打ったため、AlphaGoが79手目でミスを犯したが、それに気付いたのは87手目だったと語った。同氏と共に記者会見に臨んだ開発者は、「AlphaGoを鍛えるために、優秀な対戦相手が必要だったので、この敗北には非常に意味がある。今回のゲームを詳細に分析することで、AlphaGoをさらに改善できる」と語った。

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 韓国のプロ棋士、宋泰坤(Song Tae Gon)九段は「李氏はAlphaGoの動きをより良く把握したので、第5局はさらに接戦になるだろう。プロ棋士たちは、AlphaGoの勝負を見て、これまで悪手とみなしてきたものを見なおそうとしている。AlphaGoは囲碁の既成概念を打ち破る手助けをしてくれた」と語った。

 第5局は15日の午後1時にスタートする。ライブストリーミングはYouTubeのほか、囲碁プレミアムでは日本語解説付きで、ニコニコ生放送では実況番組を放送する。いずれも視聴は無料。


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