IBM、声で質問できるインタラクティブ広告「Watson Ads」 まずはキャンベルスープなどが採用
IBM傘下のThe Weather Companyが、コグニティブ技術「Watson」を採用するインタラクティブ広告「Watson Ads」を発表した。広告に向かって音声で例えば「今日の夕食は何にしよう?」と尋ねると、気象データや質問者の位置情報などに基いて適切なレシピを提示するという。
米IBM傘下のThe Weather Companyは6月2日(現地時間)、消費者が音声やテキストで質問できるインタラクティブ広告サービス「Watson Ads」を発表した。
サービス名から分かるように、IBMの自然言語ベースのコグニティブ(認知的)技術「Watson」を採用する。Watson Adsが消費者からの入力を解析することで、広告主はブランド認知をより良く把握でき、消費者に意志決定のためのより適切な情報を提供できるとしている。
まずは食品大手のCampbell Soup Company、消費財大手のUnilever、医薬品大手のGSK Consumer HealthcareがWatson Adsの広告を展開する。
消費者は、表示されたWatson Adに向かって音声あるいはテキストで広告の商品やサービスについて質問できる。この質問に対し、音声で正確な答えを提供できるという。
例えば消費者が「今日の夕食は何がいいかしら」と尋ねると、その日の気候、質問者の位置情報、場合によっては質問者が持ち合わせている食材などのデータに基いたレシピをすぐに提示する。IBMが2月に買収したThe Weather Companyが持つ気象データがレシピに反映されるという。
IBMは、アウトドア製品メーカーNorth Faceの社長がIBM Watsonと顧客に最適な製品を提供するツールについて“話し合う”動画をYouTubeで公開している(以下に転載)。イメージとしては、Watson Adと消費者がこうした相談をできるというものだろうか。
米Appleの「Siri」や米Googleの「Google Now」のような音声入力対応のパーソナルアシスタントの普及により、音声によるコンピュータとのやり取りに対する抵抗は減少してきている。米KPCBのパートナー、メアリー・ミーカー氏の予測によると、2020年までにはWeb検索全体に占める音声による検索が50%を超えるという。
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