日本オラクルは6月29日、リコーが進めるグループ共通の次期統合IT基盤において「Oracle Exadata」が採用され、同時に開発・検証環境でもPaaS製品群を採用されたことを発表した。
リコーが採用したのは最新版の「Oracle Exadata Database Machine X6」で、データベースアプリケーションには「Oracle Database 12c」を導入する。同社では、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を活用し、データベース集約と運用効率向上による大幅なコスト削減や、データベースの可搬性向上によるSLA最適化、移行コストの最小化を目指す。Oracle Exadataのバックアップストレージ基盤には「Oracle ZFS Storage ZS3」を使用する。
またリコーは、今後取り組む複数システムの移行の開発・検証環境に、データベース環境をクラウドで提供する「Oracle Database Cloud Service」と、Javaアプリケーション開発・実行環境の「Oracle Java Cloud Service」を採用した。
リコーのような多数のグループ企業を擁する組織では、データベースインフラ関連費用の削減は重要な課題となるものの、グループ内で稼働している膨大な数のデータベースを集約、統合することは容易ではない。場合によっては、各種アプリケーションの改修も必要で、IT部門などが苦労して統合した後も運用負荷は高止まったままというケースがある。
リコーは、2020年度までに業務システムのデータベースインフラ費用を大幅に削減させることを目標としている。Oracle ExadataおよびOracle Database 12cのマルチテナント機能などを採用して次期統合IT基盤の構築に踏み切ったことは、同様の課題を抱える大規模企業グループに少なからず影響を及ぼしそうだ。
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