アサヒ、クラウド型ビッグデータ分析基盤を導入 営業が購買動向を分析
アサヒグループHDがクラウドベースのビッグデータ分析基盤を導入。営業担当者自らが鮮度の高いデータ分析を行える環境を整え、営業活動の高度化を図る。
富士通は6月1日、アサヒグループホールディングスが、食品業向けのビッグデータ分析基盤「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics for 食品(ODMA for 食品)」を導入し、アサヒビールとアサヒ飲料で本格運用を開始したと発表した。
ODMA for 食品は、気温や天気などの気象データをはじめ、商品の売れ行きを左右するさまざまな要因に関するデータを収集、分析できるSaaSのビッグデータ分析基盤だ。データ分析やITの専門知識がないビジネスユーザーでも、直感的な操作で販売実績分析や需要予測などを行えるとしている。
一般的に、ビッグデータ分析は専門知識を持つ部門が行うが、アサヒグループでは、市場環境の変化に即座に対応するため、営業部門の現場担当者自身が知りたい情報をより早く、より高度に分析できる環境の構築を検討してきたという。
今回、アサヒグループでは、ODMA for 食品を全グループ共通のデジタルビジネス向けプラットフォームとして導入。営業活動に利用することで、販売実績データや市場データをはじめ、社内外のさまざまなデータを多面的に分析し、タイムリーに消費者の購買動向を把握するのが狙いだ。
2016年11月に運用を開始したアサヒビールでは、営業内勤と営業の担当者が日々活用し、市場ニーズに対応した販売活動を行うなど、業務効率が向上したという。
ODMA for 食品は、大量データの蓄積・加工を並列分散処理する富士通独自の高速クレンジング機能を搭載しており、データ投入から利用までの時間を短縮する効果が見込まれる。アサヒグループでは、50億件を超える大量データを高速にクレンジングし、鮮度の高いデータから消費者の購買動向をいち早く把握できるようになったとしている。
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