もう「これだからWindows 10は……」といわせない? 移行の課題はどこまで解決されたのか:Microsoft Focus(2/2 ページ)
アプリの互換性が、アップデートの時期が、サポートサイクルが……など、これまで移行を阻む課題が多かったWindows 10。今、これらの課題はどれくらい解決されたのか。
移行を阻むポイントは改善されたのか
現在、Windows10のアップデート時期は、定期化するよう改善が進められている。そして今後は、Office 365 ProPlusの機能強化の時期とも連動するようになるという。これも企業のWindows 10の導入にはプラスになるはずだ。
これまでは、Windows 10のアップデートの時期が不定期であり、さらに、Office 365 ProPlusの機能強化は4カ月ごとに行われていたため、情報システム部門にとっては手間がかかる問題の1つになっていた。
だが、マイクロソフトでは、今後はWindows 10のアップデートおよびOffice 365 ProPlusの機能強化は、いずれも3月と9月の年2回にし、リリース時期をあわせるようにした。
また、Windows 10のサポートサイクルの考え方も変更。Windows 10は常に2つの世代のCBBをサポートして、さらに次のビルドに移行するまでに60日間の猶予を与えていたが、この考え方を変え、リリース日から18カ月のサポート期間とした。この間に新たなビルドへとアップデートするという仕組みだ。この考え方は、Office 365 ProPlusにも適用。これまでは、サポート期間をリリースから12カ月間としていたものを、Windows 10と同様に18カ月とした。
「Windows 10 1809から実施しているものであり、Pilot(これまでのCB)を投入し、4カ月後にBroad(これまでのCBB)を提供。Pilotをリリースしてから、18カ月というサポート期間を設定した。それぞれのビルドに対して、18カ月というサイクルを明確にしたことで、導入やアップデートの計画が策定しやすくなる」(日本マイクロソフト Windows&デバイス本部Windowsコマーシャルチーム リードの浅田恭子氏)としている。
また、Windows 10のアップデートサイズが約3.5GBと大きいことに対しても、Windows 10 1703から改善。2017年秋に予定されているFall Creators Updateでは、配布サイズを35%軽減する計画だという。
さらに、Windows 10では、Windows Analyticsの新機能として、「Upgrade Readiness」を提供。これにより、Windows 7およびWindows 8から、Windows10への移行を支援したり、Windows 10ユーザー向けにも、最新ビルドへとアップデートすることを支援する。
「マイクロソフトが推奨する方法に基づいたワークフローを使用して、アップグレードのプロジェクトをガイドするもので、アプリの互換性情報やドライバの互換性情報の提供、PCのアップグレード台数などの情報も可視化し、それに基づいて新たなビルドへのアップグレードの可否を判断できる」(浅田氏)
ほかにも、現在、プレビュー版を公開しているUpdate Complianceでは、更新プログラムの適用状況を把握し、企業内全体のクライアントPCのWindows UpdateやWindows Update for Businessによるアップデート状況を管理できるようになるという。こちらは2017年中にも正式版を提供開始する予定だ。
デバイスの正常性を把握するDevice Healthも2017年後半にリリースする予定であり、デバイスのクラッシュなどの異常を検知して、アラートとしてあげるほか、クライアントが最高の環境で利用できるように改善。Windows 10ユーザーのヘルプデスク利用やコールを減らし、サポートコストの削減を実現できるという。
こうした新たな機能は、企業におけるWindows 10の運用管理において、プラス効果になるのは間違いないだろう。
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