認証のグニャグニャ文字は時代遅れ? GoogleがCAPTCHAを使わなくなったわけ:Mostly Harmless(1/2 ページ)
Webサイトの認証などで、人間かAIかの判定に使われている「CAPTCHA」と呼ばれる“グニャグニャ文字”。これをGoogleが使わなくなった理由とは。
この記事は大越章司氏のブログ「Mostly Harmless」より転載、編集しています。
少し前、朝日新聞の記事が目につきました。
「あれ? これ、前にもあったな」と思って調べてみると、このVicariousがCAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart:コンピュータと人を区別するための完全自動化チューリングテスト)を解読したという記事は2013年に出ていました。CAPTCHAというのがこの“グニャグニャ文字”の名前で、主にWebサイトで人間かロボットかを見分けるための技術です。
今回、研究の成果を米科学誌『サイエンス』に発表するということで朝日新聞が記事にしたのでしょうが、研究自体は4年も前のものだったのです。しかもこの会社、2014年にIT業界の名だたる大物から投資を受けたようです。これは知りませんでした。
こちらに詳しく載っていますが、Vicariousはこれまであまり公に研究成果を発表してこなかったようです。
この技術についての解説で、私が見つけた中で最も詳しいのが以下です。
これまでの機械学習は、学習のためのデータが数千から数万必要とされていましたが、Vicariousの技術だと学習データは数件あればよいのだそうです。
従来のRNNを発展させたRCN(再帰的皮質ネットワーク)ということですが、輪郭認識の知識をあらかじめ組み込んであるというのがポイントのようです。「サイエンス」の記事はこちら。
関連記事
- 連載:「Mostly Harmless」記事一覧
- 京都大学と富士通、AIを活用した高度医療化を目指す共同研究講座を開設
京都大学と富士通は、新たな診療支援や創薬の実現といったAIを活用した高度医療化に向け、共同研究講座「医療情報AIシステム学講座」を開設。京都大学が保有する各種医療情報と、富士通のAI「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を活用し、約2年間、共同研究を進める。 - 2018年はデジタルネイティブ企業(DNE)への変革の年――IDC、2018年の国内IT市場の主要10項目を予測
IDC Japanによると、2018年はデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じてデジタルネイティブ企業(DNE)への変革過程になるとし、企業が生き残るための鍵は、新たなITを強力に生かせるかにかかっているという。 - 富士通、ロボットによる自然な対人コミュニケーション実現へ「ロボットAIプラットフォーム」を発表
富士通は、自然対話や表情認識、音声感情分析、顔認識を備えた対人コミュニケーション向けサービスプラットフォーム「ロボットAIプラットフォーム」を開発した。ユニロボットによるコミュニケーションロボット「unibo」とセットで提供を開始する。 - 2020年には大ヒット? IoTビジネスの種6選
行政はIoTやAI分野の技術開発に大きな期待を寄せており、支援策も手厚くなっている。その波に乗り、新たなビジネスを創出するにはどうすればいいのか? IoT推進ラボ、「IoT Lab Selection」などの受賞事例から技術やアイデアのヒントを探してみよう。 - 弁護士や高級官僚も? クリエイティブな仕事だってAIに奪われる
クリエイティブな仕事はAIに取って代わられないといわれているが、果たして本当なのだろうか。 - 何がどうなればAIが人間を超えたことになるのか
AIについてまわるシンギュラリティ(技術的特異点)の議論。でも、そもそもシンギュラリティの定義とは何なのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.