2020年には大ヒット? IoTビジネスの種6選:目からうろこの行政サポート活用術(1/4 ページ)
行政はIoTやAI分野の技術開発に大きな期待を寄せており、支援策も手厚くなっている。その波に乗り、新たなビジネスを創出するにはどうすればいいのか? IoT推進ラボ、「IoT Lab Selection」などの受賞事例から技術やアイデアのヒントを探してみよう。
2017年、経済産業省は日本の産業の未来を示す新たなビジョンを指し示すコンセプトとして「コネクテッド・インダストリーズ(Connected Industries)」を発表した。モノや技術を賢くつなげて「高度なものづくり」「自動走行」「ロボット」などを成果物とするもので、これらを可能にする技術として「AI」「IoT」などに期待が集まっている。
IoT、AI分野への行政支援が増え、推進事業が活発化
経済産業省が目指す「Connected Industriesによる『勝ち筋』」を示した図を紹介しよう。
「スマートモノづくり」「自動走行」「ロボット、ドローン」「バイオ、ヘルスケア」の4分野を特に強化する対象とし、今後、IoTやAIなどの技術の導入を促す施策が拡充されると経産省は見ている。
IoTやAI、それらを支えるビッグデータ活用に対する経産省の視線は熱いようだ。大きなニュースにはなっていないが、経産省は2017年度から約2000人を対象とするウェアラブル端末を使った健康データの収集を予定している。これは、糖尿病軽症者の重症化予防や改善を図る実証研究の一環だ。
昨今では、こうした新技術を使ったビジネス創出を支援する取り組みも活性化している。
政府は新たな技術への可能性に注目し、「IoT推進コンソーシアム」や「ロボット革命イニシアティブ協議会」で、関連イベントやコンクールを積極的に展開している。
例えば、IoT推進コンソーシアムの下に設置されている「IoT推進ラボ」では、IoT関連のツールやソリューションを一般から募集し、優秀者には資金面の支援やメンター支援などを提供する「先進的IoTプロジェクト選考会議 IoT Lab Selection」を開催している。2017年秋には「第4回先進的IoTプロジェクト選考会議 IoT Lab Selection」の選考結果が発表され、早くも第5回の募集が始まっている。
他にも、総務省東北総合通信局などの主催による「地域ICT/IoT実装推進セミナーin東北」や、富山県で開催される「とやまIoTビジネスアイデアコンテスト2017」など、各地でIoT関連のアイデアやソリューションへの応援施策が行われている。
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