■いちばん近道なLinuxマスター術
第9回:USBの認識から使い方まで 前編
 最近では,Windowsをターゲットとした周辺機器の多くがUSBインターフェイスになりつつある。USBは,Windowsであれば付属のドライバを利用することで問題なくプラグ&プレイが実現される。しかし,Linuxでは複雑な設定が必要となるのが現状だ。
 それでも,Linuxカーネル2.4では,カーネル2.2までのUSB機能が大幅に強化され,多くのUSBデバイスが利用できるようになった。今回は,どのようにしてLinuxでUSB機器を使えばよいのか,そしてポイントとなるべき事項を解説していこう。
 前編となる今回は,USBデバイスの基本的な構成,そして比較的設定が簡単なUSBキーボードとUSBマウスの使い方を説明する。そして次回後編では,USBカムやUSBプリンタ,USBスキャナなど,個々のUSBデバイスの認識のさせ方などを解説していく予定だ。

カーネル2.2と2.4のUSBの扱い方

 USBは,Linuxの場合カーネル2.2.7以降でサポートされている。しかしカーネル2.2系のカーネルでは全面的にUSB機能がサポートされているわけではなく,一部のUSBデバイスが利用できなかったり,Windowsではお馴染みなプラグ&プレイがサポートされないといった制限がある。そのため,USBを本格的に利用したいのであれば,カーネル2.4系を使うことが望ましい。

 そこで今回は,別稿「カーネル2.4アップグレードガイド」にて解説した手順など,カーネル2.4にアップグレードしたLinuxを対象としてUSBの使い方を説明していく。

 本稿で実際に動作手順を確かめているのはRed Hat Linux 6.2日本語版にカーネル2.4.7を再構築したものであるが,それ以外のディストリビューションでもほとんど同じ手順で使えるはずだ。2001年8月現在ではすでに,Red Hat Linux 7.1日本語版などのカーネル2.4を採用したディストリビューションが登場していることから,これからマシンにLinuxをインストールする人は最初からカーネル2.4を使うのがよいだろう。それらのディストリビューションでは,より簡単にUSBを扱うことができるからだ。

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